こんにちは!インターネット企業などをやっている、けんすうといいます。
何がなんだかわからないままにMirrorをはじめてみます。
DAOとかWeb3とか結局のところ、全然わからないまま時がすぎてしまっているのですが、自分を振り返ったところ「もう40歳だし、わかっていないということが周りにバレるのが恥ずかしいと思っているのでは?」ということに気づきました。
常に勉強をして最先端についていきたいと思ってたつもりが、いつのまにか、居心地がいい、自分が理解できる範囲の場所でとどまって、今までの経験を活かして、「わかったふり」をしてごまかす、ということをしていたのです。
恥をかくのが怖くなってしまっているのかもしれません。
で、、これはあまりに楽しくないというか、小さい自分のプライドを守って大きな世の中の変化に取り残されてはもったいないなと思いました。
というわけで、Mirrorを使って、DAOとかWeb3について勉強したこと、思ったことを書きまくって、「けんすうさん、それ違いますよ」とか「この人全然わかっていないな・・・」と突っ込まれることを恐れずに勉強した過程を書いていこうかなーと思っています。
そもそも、なんでWeb3を勉強したいのか・・・というところなんですが。
最近、Twitterとかで盛り上がっている人たちの中には、バリバリのビジネスパーソンだったり、投資家だったりが多くいます。それは全然いいことだと思っているんですが「次の波はこれだ!乗り遅れるな!」的な雰囲気も感じます。
しかし、僕の場合、突き詰めると、波に乗り遅れるかどうかとかはどうでもよいなと思いました。むしろ「もともとインターネットでやりたかった世界観が今できるんじゃないか?」というワクワクのほうが近いです。
というわけで、昔話から。
僕は太古の昔、ちょうど2000年くらいから、Web上でコミュニティサイトなどをやっていました。当時、会社を作るみたいな発想もなかったので、自分で掲示板サイトを立ち上げて、すこしずつサービスを広げていく過程で、削除をする人とか、プログラマーとかデザイナーに手伝ってもらっていたりしたんですね。
当時作ってたサービスは、学生向けコミュニティだったんですが、2000年にしては、1000万PVくらい毎月あり、毎日5000件の投稿があったので、そこそこの規模でした。で、問題になるのが、投稿のチェックと削除です。
1人では到底無理なので、削除人というのを募集して、削除依頼板、というところでユーザーが依頼をし、削除人が削除をしていくというので回していました。これは、当時、最強の掲示板だった「2ちゃんねる」の手法をそのまんま使っています。
また、運営なども、議論ができる場所を作って、全部公開でやっていました。はっきりと覚えていないんですが、当時、Discordみたいなものはもちろん、メッセンジャーもあまり浸透しておらず(ICQはMSN Messengerくらい?)、公開の場でやるしかなかったのです。
なので、運営者とユーザーの垣根みたいなものがほとんどなく、みんなで「このサービスをどうしたらいいのか」というのを議論できていました。もちろん、最終的な権限は僕が持っていましたが、方針に関しては誰でも口出せますし、僕が強権を発動したらコミュニティが衰退していくだけだったんです。
という感じで、なんとか大きなサイトをコミュニティだけで回してたんですが、ここでの問題はただ一つ。
インセンティブ設計です。
もはや知っている人も少数派になってしまいましたが、2000年〜2004年くらいの、ブログがはじめり「Web2.0」という単語が盛り上がるまでは、世の中はかなり、お金に対しての拒否感がありました。
信じられないかもしれませんが、有料コンテンツはおろか、ブログを本にするだけで「金儲けだったのか」と炎上しかねない雰囲気がありましたし、広告を貼るだけで嫌われる感じがありました。広告うざいというより「身銭を切ってお金を出してでも、好きなことをやるほうが正しい」という感じがあったのです。
そもそも、広告をいざ載せようと思っても、Google Adsenseなどもない時代だったので、自分でバナー広告を営業でとってくるか、実入りの低いアフィリエイトなどを貼るしかありません。
なので、僕がやってたサイトも、ずっと赤字でした。ボランティアにお金を払うこともできませんし、そもそも「お金を払ってコミュニティ運営をしてもらう」ということをすると、コミュニティが壊れるほどの問題があったんです。
あと、こういっちゃなんですが、僕がやってたサイトは匿名掲示板だったので、警察沙汰や裁判沙汰も少なくなく・・・。法人などにして収益を上げてたら、逆に弱い立場になってしまうのがあったんです。
学生一人でやっている趣味のサイトだったら警察も裁判所も優しいんですが、これが法人で利益目的にやっているとなると責任果たそうね、となってしまうというか。
というわけで、インセンティブはひたすら「コミュニティのためになにかをしたい」という滅私の気持ちだけです。それはそれで尊いんですが、見方を変えると単なるやりがい搾取にもつながります。
削除人などは、基本的に権限が大きいので神のように振る舞いがちなんですが、それをやるとコミュニティは衰退するので、かなり個を消して、コミュニティのために動き、それでいてたいして感謝はされず、むしろ罵倒されることのほうが多い、という仕事です。まったくメリットがない仕事でした。
なんどえ、コミュニティ運営を手伝ってくれる人を、ごまかしごまかし採用して、なんとか回してたというのがあります。
ただ、、、個人的にはこのやり方は今でもやりたいと思っているほど好きな方法でして。僕は運営者とお客さんとの垣根がないくらい、一緒にサービスを作りたいという欲がすごいあるんですね。
会社組織というのは、またちょっと違うんです。どうしても「運営者」と「お客さん」で別れてしまいますし、お客さんをただで働かせたらちょっと問題になります。
会社側の運営者は給与をもらってやっているのに、ボランティアが無給で働いているとなると、やっぱりちょっと不公平な感じがします。
というので、インセンティブ設計を最初から組み込んだ、サービス設計がDAOではできるんじゃないか・・・、と思っているのが今です。
もっというと、たとえばコミュニティサイトだと
という役割があるわけですが、UGC(ユーザーが作るコンテンツがメインのサイトのこと)の場合、投稿する人も無給で働いているとも言えます。食べログでレビューを書いている人は、確実に食べログというサービスの価値をあげていますが、特に何かがもらえるわけではありません。
Web2.0の問題は「ユーザー投稿によってサービスの価値が高まる」けど「投稿者へのインセンティブは、やりがいや、好きという気持ち、ボランティア精神」に依存することです。
このあたりを例えば
などを設計ができれば、やりがいだけではないインセンティブにて、場を盛り上げることができます。
場を荒らしたり、誹謗中傷を書くことよりも、よりよいコンテンツを生み出そうという気持ちになれば、インターネット上によい言論空間を生み出すこともありうるんじゃないかなーと。
ただ、こういうのはみんな考えつつも、結局のところ「そのインセンティブの原資を誰が負担するのか」という問題があるので、出来ていないと思うんですが・・・。なんかそういうのが作れないかなーと最近思っていたりします。
長くなったので一旦終わりですが、こんな感じで、DAOでこういうのができるんじゃないか?とか、こういうDapps作れないのか?とかをいろいろな人に聞きながら、勉強していって、ここにいろいろ書いていきたいなーと思っています。
「最良の先生は、昨日の生徒だ」という言葉が好きで、いつも言っているんですが、よくわかっていない人が、バタバタしながら書いていくことで、他の人の役に立てればなーという気持ちもあります。
Web3に詳しいよ!とか、今、DAOをやっているよ!とか、とりあえず話そうよ!とか、「Mirror.xyzを使っているのに、普通にブログじゃもったいないから、クラウドファンディング機能をちゃんと使おうよ」とか教えてくれる人がいたら、いつでもTwitterのDMください。
では!