※ 本記事は2022/09/13時点での筆者の知る範囲での情報の公開であり、再現性や結果を保証するものではありません。当記事の内容を応用する場合は、ご自身でもDYORの精神で情報収集することを推奨します。
Avalancheとは, 分散型アプリケーションとブロックチェーンを デプロイ・運用・利用するためのオープンソースプラットフォームです。
以下が人気のポイントだと理解しています。
EVM互換のチェーンがある
ethereum上で動いている既存のスマートコントラクトをそのままAvalanche(のEVM互換チェーン)上にデプロイすることができる。
高パフォーマンス(高スループット・低手数料金・スケーラビリティ)
Avalancheの採用するコンセンサスアルゴリズムは処理が高速であり, また後述する機能により高いスケーラビリティも兼ね備えています。
自分のスマートコントラクトをAvalanche上にデプロイすることでその恩恵を受けることができます。
Subnet
Subnetという仕組みにより独自のブロックチェーンネットワークを作成することができます。複数のネットワークに分けることでトランザクションの集中による通信の遅延を避けたり, 独自のコンセンサスプロトコルをネットワークに設けることが可能です。
詳しくは後述でお話しします。
Avalancheのネットワークはマルチチェーンフレームワークというものを採用していて,
3つのブロックチェーンによって構成されています。
重要な機能を分割し最適なデータ構造を採用することで, 開発者により柔軟性と制御性のある環境を提供しています。
以下に各チェーンについてまとめます。
スマートコントラクトのデプロイ・実行ができるブロックチェーンです。
C-ChainはEVM互換, 具体的にはEVMのインスタンスであり, EVMの機能を実装しています。
EVMとはEthereumの構成要素の一つで, スマートコントラクトのデプロイ・実行を管理する仮想マシンと理解しています。参考 -> Ethereum Virtual Machine (EVM) | ethereum.org
つまりEthereum上にデプロイしているスマートコントラクトを, 実装を変更せずにそのままAvalanche上にデプロイすることができます。
Ethereumはとても大きなプラットフォームですから, 多くのブロックチェーン開発者にとって既存のスマートコントラクトを高スループットなブロックチェーン上で展開できる良い機会となります。
Subnet(独自のブロックチェーンネットワーク) を作成できるブロックチェーンです。
複数のノードを用意してネットワークを構成し, そのネットワーク内でブロックチェーンを作成することが出来ます。
サブネットには, 個人や企業のユースケースに合わせて, 料金体系などの様々なルールを設定できます。
また, プライベートなネットワークにすることも可能です。
例えば, 規制対象の金融機関がデジタル資産を発行する際に,どのノードがネットワークを検証するかをコンプライアンスに則り制御できる必要があります。
サブネットを使えば, 彼ら独自の条件でネットワークを制御することができます。
1つのネットワーク上でトランザクションが増えるとトラフィックが増え, 通信の遅延や手数料の増加が起こることがあります。
サブネットによりネットワークを分けることでトラフィックを分離することができます。
例えば, GameFiでは膨大な数のトランザクションが発生しますが,これをサブネットに移動することで他のプロジェクトによるネットワーク遅延などの影響を受けないようにすることができます。
デジタル資産の作成及びトレードに特化したチェーンです。
デジタル資産の中にはAVAX(Avalancheのネイティブトークン)も含みます。
X-ChainのネットワークはDAG(Directed Acyclic Graph)という技術を用いて最適化されています。
DAGはブロックチェーンのようにブロックが時系列で並んでおらず, ネットワークがトランザクションを並行して処理することを可能にします。
資産の作成及びトレードを実行する場合はブロックが時系列に並ぶ必要がありません。
DAG参考
Avalancheのコンセンサスは, アバランチ・コンセンサス と PoS の組み合わせとなっています。
コンセンサスアルゴリズムとは, トランザクションの記録を誰が行うかの合意方法を指します。
アバランチ・コンセンサスは, 分散性を損なうことなく, 強力な安全性, 高スループットを実現しています。
アバランチ・コンセンサスの仕組みについて
また, 以下リンクで説明されている, ピザとバーベキューの例え話によるアバランチコンセンサスの説明がわかりやすかったです。
初心者でもわかるAvalanche(アバランチ)とは|注目すべき点や将来性を解説
PoS ノードとしてネットワークに参加するには最低 2000AVAXが必要です。
Avalancheのネイティブトークン
ハードキャップ=トークンの最大供給量が決まっている
用途
手数料の支払い
支払われたAVAXはバーンされる
ステーキング
Avalancheのウォレット
Avalancheの全てのエコシステムを利用できる (AVAX + サブネット全て)
さらにブリッジ機能によりBTC, ETHを利用可能
ブリッジとは
他チェーンのトークンの転送やスマートコントラクトの呼び出しを可能にする機能です。
ブリッジを使わない場合は複数の取引所を介して交換をするため,手間と手数料が高くつきます。
ブリッジの仕組み
参考 → ブロックチェーンブリッジとは
例えばbitcoinからethereumへ移動する場合
ブリッジのスマートコントラクトが bitcoin をロック, 同等の ehtereum を生成。
再びethereumからbitcoinへ戻す時は ethereum をバーン, bitcoin のロックを解除。