利下げの可能性を前に金は上昇、銀は下落
先週、12月の利下げにつながる米国の雇用統計を受けて金は週足で上昇した。今週、投資家は米国のインフレデータに特に注目した。このデータは火曜日に発表される予定で、欧州中央銀行(ECB)は木曜日に利下げを決定した。
主要株価指数が3週間連続で上昇した後、ウォール街は月曜日に静かなオープニングベルを打った。月曜日の終値までにS&P 500とナスダック総合指数は0.5%下落し、投資家は水曜日のインフレ統計に備えた。一方、ドル高が失速したため、金は月曜日に2%上昇し、終値は2,668ドルとなった。
米国株は火曜日に再び下落し、ウォール街ではリスク回避の感情が広がった。投資家の懸念は、尹錫悦大統領が戒厳令を宣言したとのニュースが報じられた後、韓国の政変が主な原因だった。
韓国の政変と中東の緊張が高まる中、安全資産としての買いが金を再び押し上げた。中国人民銀行(PBOC)が6か月ぶりに金購入を再開したとのニュースを受けて、金はさらなる支援を受けた。その結果、金は木曜日に0.9%上昇したが、2,700ドルの水準には達しなかった。
水曜日、労働省は、米国の消費者物価が11月に0.3%上昇し、7か月ぶりの大幅なCPI上昇を記録したと報告した。インフレは間違った方向に動いていたが、11月の価格上昇は予想と一致しており、FRBが2024年に再び利下げを躊躇する可能性は低いことを示唆している。
インフレのニュースにもかかわらず、ハイテク株の急騰により、水曜日のナスダックは初めて20,000を超えた。一方、EM FedWatchツールによると、12月の利下げ確率は85%近くに留まり、金は2か月ぶりの高値2,713ドル、銀は32ドルを突破した。
木曜日、インフレの強固さが株価に下押し圧力をかけ、主要株価指数は下落した。債券市場では10年国債利回りが1か月ぶりの高値4.32%に近づいた。同日、利回り上昇と利益確定売りが金に圧力をかけ、金は1%下落して2,686ドルで終値を付けた。
金は今朝再び下落したが、週足では2,649ドルと小幅な上昇となった。銀も今朝下落し、週足では2%下落して1オンス30.55ドルとなった。S&P500とダウ工業株30種平均はそれぞれ0.53%と1.83%下落し、株価はまちまちで週を終えた。しかし、ハイテクセクターの強さにより、ナスダック総合指数は週足で0.52%上昇した。