先週、FRBが利下げに慎重な姿勢を示したため、金は8週間続いた上昇を止めた。今週、市場心理は主にトランプ大統領の関税政策と米国の雇用統計をめぐる投資家の不確実性に左右された。
月曜日の午後、トランプ大統領が貿易相手国であるカナダとメキシコとの「交渉の余地はもうない」と述べた関税の最新情報を受けて、米国株は急落した。このニュースを受けて、ウォール街の心理が落ち込み、ナスダック総合指数は2.6%下落、S&P 500指数は1.7%下落した。一方、金は1%上昇し、前日の3週間ぶりの安値から回復した。金と銀はともに安全資産の流入とドル安の恩恵を受け、それぞれ2,888ドルと31.69ドルで引けた。
火曜日、関税関連の不確実性が投資家のリスク回避ムードを煽り、株価は新たな圧力に直面した。カナダとメキシコからの製品に対する25%の関税に加え、一部の中国輸入品に対する関税が10%から20%に引き上げられるとのニュースが報じられた。金は月曜日からの上昇を続け、0.6%上昇して2,918ドルで引けた。銀もドルのさらなる下落に支えられ、32ドルの水準を突破した。
水曜日、トランプ大統領はカナダとメキシコに対する自動車関税の1か月の一時停止を発表し、ウォール街ではこの動きが好感された。株価は上昇し、ナスダック総合指数は1.4%上昇して1日の上昇をリードした。金は一息つき、投資家の注目が金曜日の米国雇用統計に移ったため、0.1%の小幅下落となった。
木曜日、利益確定と国債利回りの上昇で金が下落したため、金は再び下落した。しかし、安全資産への流入が続いたことで損失は抑えられ、金は2,915ドル、銀は32.57ドルで引けた。一方、貿易戦争の懸念が高まりリスク回避が進んだため、株式は下落した。特にナスダックは2.7%下落して調整局面に入り、S&P 500は4カ月ぶりの安値に落ち込んだ。
今朝は小幅な上昇を見せたものの、株式は下落で週を終えた。S&P 500は3.2%下落して、9月以来最悪の週間パフォーマンスとなった。ナスダックは下落を主導し、週で3.5%下落し、ダウは2.4%下落した。
今朝、労働省は雇用報告を発表し、2月の非農業部門雇用者数は15万1,000人増加したが、予想の17万1,000人を下回った。予想よりも弱いデータにより、今年の利下げの可能性がわずかに高まり、金と銀が小幅上昇した。両金属とも週末に1.6%上昇し、金は2,911ドル、銀は32.84ドルで終了した。