Kohei.eth と申します。 和組 というWeb3コミュニティーの運営や、This Week In DAOs というニュースレター & ポッドキャストの運営をしながら、Compy というDAO向けの報酬設計ツールを作っています。最近まで Index Coop という DeFiインデックスファンドのDAOにて東アジアのグロースチームを運営していました。
去年 Index Coop で働き始めてDAOの可能性に魅了されました。特に、世界中の人が生まれた場所や年齢、バックグランドに左右されずにお金を稼ぐ機会、才能を生かす機会を平等に得ることができる、そんな未来を作りだすところです。あと数年で、新しく生まれた会社のほとんどがDAOとして運営される未来が来ると思います。しかし、この働き方をメインストリームにするためにはまだまだ問題が山積みです。DAOにとって欠かせないプロダクトを作り、この未来を実現する一端を担いたいという気持ちが原動力になっていると思います。
DAOで働き始めた経緯はこちらでまとめました↓
Compy is a protocol for Self-governing + Flexible vesting Compensation.
DAOのコントリビューターが毎月自分のニーズに合った形で、月額報酬レベルまでステーブルコインの受け取り + 割引されたネイティブトークンの購入(割引率はトークンのロックアップ期間によって決まる)できる報酬設計ツール。
DAOが抱える最も大きな課題の一つに、長期でプロトコルに貢献したいと思っているコントリビューターにインセンティブを与えられていないという点があります。今現在は、短期の稼ぎ目的のコントリビューターが多く集まっており、ネットワークの価値を上げることに繋がっていないケースばかりです。上記が原因で僕が所属していた Index Coop では組織崩壊に近い状況となりました。しかし、ロックアップ期間の調整機能は、プロトコルの将来に対する彼らの長期的な確信の代理として機能するため、最も長い期間を好む人が最も利益を得るという状況を作ることができます。長期で貢献してくれる人により多くのインセンティブを与えることはDAOの持続的運営にとって欠かせない課題だと思っています。
報酬として貰う Stablecoin : Nativetoken の比率や、べスティングオプション有無などがコントリビューターの役職やチームによって異なり複雑化しています。しかし、報酬設計をコントリビューター自身が行うことで、全てのコントリビューターの報酬設計が平等な一つのプロセスに合理化することができます。また今後DAO(組織)がスケールしていくことを考えると、上記の様に報酬設計を自律的に行い、プロセスや意思決定の負担を減らすことは不可欠だと思っています。
1: DAO側が特定の月分の報酬支払額(Stablecoin)を Compy にプール
2: Webアプリ上で、コントリビューター側がその月に受け取る報酬の Stablecoin : Nativetoken の比率を決める + Nativetokenのロックアップ期間を決める
3: Webアプリ上で、コントリビューター側がその月受け取る分の Stablecoin を Claim + 設定されたウォレットで受け取る
4: Nativetoken 購入分の Stablecoin がDAOのトレジャリーに返金(or Claim)
5: DAO側が、コントリビューターが購入した分の Nativetoken を Compy に送金 + ロックアップ
6: ロックアップ期間が終了後、コントリビューター側が Claim + 設定されたウォレットで受け取る
(Webアプリ上で、トータルのトークン保有数とロックアップ期間を確認できる)