MEV 101 : How to dive into MEV

Topics

  • MEVの課題を体系的に理解するためのOpen Questions

  • MEVにdive into する方法

  • Titania Researchのopen problems

背景

2023年11月21日に第3回MEVTokyoSalonを開催しました。90人近い参加申し込みがあり、会場には60人近い方が参加してくださいました。また、Twitterでも反響の声を多くいただき、MEVの知見を共有できた非常に意義のあるイベントだったと感じています。

MEV Tokyo Salon at CryptoBase
MEV Tokyo Salon at CryptoBase

しかし、イベントの目的としていた「Ethrereumの解決策の発案やコミットする人を増やすこと」に関しては達成できなかったと感じています。

理由としては、MEVを理解するためには広範な知識必要になり、どこから調べるべきか・関わるべきかが分からず、次の行動を促すことができなかったことだと考えています。

そこで、MEVに関わるきっかけ作りとして、MEVにまつわる課題をまとめた「Open Questions」を書きました。 MEVに興味ある人が次のステップを踏み出す道標として、Open Questionsを活用していただきたいです。

MEVはEthereumのblock構築と深く関連しており、EthereumがGlobalStateMachineとして成り立つためには非常に重要です。

MEVに関わるのには今からでも遅くありません!

これから大きく動く分野なのでチャンスです!

Ethereumのコアに関われる、非常にロマンに溢れた分野です!!

MEVの基礎知識

Open Questionsを読む前にMEVの概要を抑えるために、まずはMEVの概要を抑えましょう。

下記、参考になる記事を紹介します。

  • イーサリアムの基礎:MEV編
  • 初心者向けMEVガイドI ~ Ⅴ
  • MEV-boostの概要

Open Questions

OpenQuestionは随時追加していきます。

MEV-Boost

https://github.com/flashbots/mev-boost
https://github.com/flashbots/mev-boost

Ethereumのblockの9割近くがMEV-Boostを使って構築されています。しかし、MEV-Boostの各関係者は問題を抱えています。それらの問題点を分析し解決策を考える、解決策が見えているのがあればその解決策がどうしたら使われるか考えてみましょう。

Searcher

MEV-BoostにおいてSearcherが収益機会を見つけたら、それらのトランザクションをbunldeとしてbuilderに渡します。現状、builderに渡されたbundleはbuilderがunbunldeしないことを信用する必要があります。影響力の大きいsearcherからのbundleや収益機会の小さいbundleであれば、builderがunbundleするインセンティブは大きくありません。しかし、収益性の高いbundleはsearcherに分からない形でbuilderがunbundleする可能性は十分にあります。

特に収益機会の大きいbundleをどうトラストレスに取引できるでしょうか。

Builder

MEV-Boostではbuilder間でauctionを行い、勝利したbuilderのblockがproposerに渡りEthereumのblockとして構築されます。しかし、MEV-Boostによるblock構築の9割以上がTop4のbuilderによって占領されています。Builderの独占がすすむと、top builder間で競争優位性を守るために恣意的なルールが作られBlock構築のプロセスが不透明になってしまう可能性があります。

ブロックビルダーの独占がなぜ起きるのでしょうか、何が問題なのでしょうか、どのように解決すればよいでしょうか。

参考(builderについて)

参考(block spaceについて)

Relayer

builderが構築したfull blockはrelayerに送信されます。そのため、relayerはblockの検閲をすることができます。 また、MEV-Boostにおいてblock構築を円滑に行うために重要な役割を担っているrelayerですが、マシンスペックの要件が高く運用に多額な必要がかかる一方、relayerに対する収益の分配は一切ありません。

relayerの検閲は全て悪いことでしょうか、どのように検閲を防ぐことができるでしょうか。 また、relayerのインセンティブがないとどのような問題が起こるでしょうか、relayerの運用コストを下げれることはできるでしょうか、relayerにインセンティブを付与できるでしょうか。

参考(Relayerの問題点とePBS)

参考(Relayerの解決策の提案)

ePBS (enshrined PBS) / in protocol PBS

https://youtu.be/7OxDXd9C2SY?si=L_qcXu47oJ_dVwht
https://youtu.be/7OxDXd9C2SY?si=L_qcXu47oJ_dVwht

PBSにはプロトコルの改修を必要とするin protocol PBS(ePBS : enshrined PBS と呼ばれることもあります)と、プロトコルの改修を必要としないout-of-protocolのPBSがあります。 MEV-Boostはout-of-protocolにあたります。

out-pf-protocolの特徴として実装のスピードは速いがMEV-Boostでもみられるように多少のトラストが必要になります。

ePBSは決定的な実装方法が提案されておらずEthereumコミュニティーでホットに議論されている話題です。

ePBSの必要性とあり方

MEV-Boostの課題について述べてきましたが、特にRelayer周りの解決策としてePBSを実装する必要性があるとの議論が多くあります。現状のePBSの議論を分析し、提案をしてみましょう。

果たして本当にePBSが必要なのでしょうか?また、仮に必要だとしたらどのようなePBSの形が望ましいでしょうか?

参考(PSSの全体感)

参考(主要なPBSの提案)

builderによるbidのcancelをどう扱うか

builder間のblock auctionでは前に提出したbidよりも低いbidを提出すると、その低いbidのblockが最新のblockとみなされ、事実上bidのcancelを行うことができます。bidのキャンセルはDEX-CEX- arbitrageに特に有効で、MEVの収益増加やDEXの価格形成などの一役を担っています。しかし、builderから提出される9割近くが不要なbidでrelayerのリソースを無駄に消費しているとも言われています。また、latencyの問題からePBSの提案は基本的にbidを考慮しない形で考えられています。

bidの問題点や重要性を整理し、今後bidのcancelをどう扱うべきでしょうか?

MEV-burn

MEVの収益は全てのvalidator間に平等に分配されるのではなく、収益性の高いblockは偏っています。そのため、収益性の高いblockをproposeすることができなければvalidatorは期待していた収益を得ることはできません。

そこで、MEVの収益をburnすることで、MEVの収益を経済的に還元したり、MEV spikeを防いだりする、MEV-Burnが議論されています。

しかし、DEX-CEX arbitrageやIntentなどによりMEVの収益を正確に算出することは難しいです。また、MEVの収益が減少する可能性があることからMEV-burnが導入される際にはMEVの構造が変わっている可能性があります。

MEV-Burnは課題に対する最適な解決策でしょうか?

MEVの全体感

https://writings.flashbots.net/mevm-suave-centauri-and-beyond
https://writings.flashbots.net/mevm-suave-centauri-and-beyond

悪いMEVをどうするか

MEV収益の種類として主にArbitrage、Liquidation、Sandwich attack の3つがあります。この3つの中でも、Sandwich attackは直接的に不利益を被る主体がいるため「悪いMEV」と言われています。トランザクションをpublicにしないMEV-ShareやMEV-Blockなどの解決策はありますが、逆にそれらに渡したトランザクションの方が不利益を被っているというデータもあります。

悪いMEVの発生要因は何でしょうか。また、悪いMEVをどう防止できるでしょうか。

LVR

また一概に悪いMEVと評価することは、難しいですが、DEXにおけるLiquidity Providerの収益性を損なうMEVにも対策が必要です。LPを評価する指標の1つに場合に、Loss versus Rebalancingというものが存在します。Loss versus Rebalancingの本質は、アービトラジャーとLiquidity provider間の情報の非対称に起因したアービトラージによるApplication外への価値の流出です。LVRの影響により、Liquidity Providerは、著しくlose their moneyしています。

LVRの要因は何でしょうか。また、LVRにどう対処できるでしょうか。

これからのMEVの収益とblock構築

DEXプロトコルの改修、Intent-Based Applicationの台頭、Ethereumの実行環境がL1からL2に移行、など様々な要因でMEVの収益が減少することが予想されています。

今後のMEV市場はどうなるでしょうか、MEV収益が少なくなった際のblock構築はどうなるでしょうか、今後のMEVについて考えてみましょう。

その他open questions

How to dive into

https://ethereum.org/en/
https://ethereum.org/en/

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。 MEVに興味があり、MEVにdive intoしたくなった方は、1~4を実践していただけると嬉しいです。

1. From Open Questions

まずは、当記事のOpen Questionsから興味があるものについて深く調査してみましょう。MEVは社会学、行動経済学、金融工学、暗号学、情報学など様々な知識必要になります。ご自身のバックグランドが活かせる領域から始めるのも取り掛かりやすいかと思います。

2. Summerize your research

ある程度調査が進んだら、一旦調査結果をまとめてみましょう。また、調査する中で、仮説もまとめてみましょう。 記事を書けたら尚よいです。

3. Hypothesis testing

2ででた仮説を検証しましょう。追加で記事を読んだり、自身が書いた記事をもとに知見のある方と議論したりしましょう。

4. Next Action

仮説検証の結果をまとめま、次のアクションを書き出しましょう。

MEVのコミュニティーはEthereumの思想に惹かれて活動してる方が多く非常にオープンです。そのため、新参者であっても、その分野に対する興味と知識さえあれば誰でも受け入れてくれます。

2~4を実施する際には、EthereumResearchやFlashbot Collectiveを活用して、思考の質を深めてみましょう。

Titania Research

また、我々TitaniaResearchもOpenProblemsを設けています。 MEVで活動したいものが見つかり、Titania Researchを活用したい場合はTitaniaのメンバーに連絡して、是非OpenProbremsにあげてください。サポート体制を整えております。

連絡先

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