このブログは、クリプトプロジェクトのファウンダーとして私の個人的な視点から書かれています。記載されている内容は全て、金融的なアドバイスとして解釈すべきではありません。このブログおよび弊社のサービスは、アメリカのユーザー向けに作られたものではありません。For the English version of this post, please click here.
かねてから予定していた「スナップショット」を1月20日に実施することを発表しました。
スナップショット日を来週に控えた今、クリプトの基本的な原則と今までの成功事例をふり返り、そこから見えてくるインサイトをこれから私たちがどのように活用してコミュニティを構築し、文化を作り上げていくかをまとめます。
(このブログを読んでくれたみなさんへのボーナスとして、今後のトークンエコノミクスに関する先取り情報も紹介しますので最後までお読みください👀)
まず基本情報として、クリプト(暗号通貨)トークンは通貨の1種です。そして人類の歴史を通して、通貨はずっと信頼に基づいて運用されています。
純粋な信頼に基づく貨幣の時代が始まったのは1971年、当時大統領だったリチャード・ニクソンがアメリカドルと金の交換停止を発表したときでした(「ニクソン・ショック」と呼ばれます)。これによって金とドルの交換を前提とした金ドル本位制が終了し、前例のない法定通貨の時代が到来しました。歴史上初めて、世界の通貨システムは貴金属の本来の価値ではなく、制度への信頼だけで運営されたのです。
その後も長年にわたり、アメリカドルは世界の基軸通貨としての地位を維持してきましたが、この信頼に基づくシステムには亀裂が生まれ始めました。積極的な対外介入からアメリカ国内の金融規制緩和まで、一連の物議を醸す政策決定により、アメリカの制度に対して国民はますます信頼を失ってきました。これは2007年から2008年にかけて起きた金融危機にてピークに達し、法定通貨システムの立役者たちがその信頼に値しないことを自ら証明しました。
このような失敗の中から「人間が作った信用性のない制度を信頼するより、コードを信頼した方がよいのでは?」という革新的な命題を掲げて、ビットコインは登場しました。ビットコインの生みの親であるサトシ・ナカモトは、新しい通貨の形を作っただけでなく、中央集権的な権威の代わりにコード=暗号的な証明の上に構築された新しい信頼の基盤を構築しました。
ビットコインの誕生以来、私たちは様々なトークンが誕生する様子を目の当たりにしています。この増加の中で、重要なパターンが続いています。それは、長期にわたり成功するトークンは、常に共有された信念によって団結した強力なコミュニティに支えられているということです。
トークンの根底にあるアイデアは、世界を変えるほど野心的なときもあります。たとえばイーサリアムがもつ分散型「ワールドコンピューター」のビジョンです。他にも、Fartcoinやdogwifhatのように、快楽を重視していたり虚無的なナンセンスに過ぎないこともあります。重要なのはプロジェクトの規模や運営側がいかに真剣かどうかではなく、むしろそのトークンを保有するホルダーのコミュニティの間で育まれる本物のつながりなのです。
このパターンは「ブルーチップ」やレイヤー1プロジェクトから最新のミームコインまで、市場全体にて当てはまります。最も弾力性の高いトークンは、コミュニティメンバーがお互いへの信頼や関心だけでなく、自分たちを超えた理想に対しても、暗黙の信頼と共通の関心を共有しているものです。クリプトは単なる技術革命ではありません。これは共通の信頼によって結ばれたコミュニティが、新しい文化のルールを書き記す社会運動なのです。
もし全てのクリプトトークンが「信頼のゲーム」のようなものであるならば、コミュニティを構築する最適な戦略は何でしょうか?(以下の図を参照)
過去のブログで私はこのように書きました。
たとえば過去には、中央集権的な取引所がX(Twitter)のフォロワー数のような見せかけの指標を基に、プロジェクトのトークン上場を過剰に承認することがありました。その結果、多くの運営者は、ボットやSocialFiキャンペーンを使って偽物のユーザー数を「水増し」するようになったのです。
この傾向は今でもくり返されていて、それによってクリプトユーザーの多くは、トークン発行(TGE)前の数字が高ければ、トークン発行後の数字も高くなるだろうと誤解しています。
しかし過去のブログでも触れたように、特にクリプト業界においてはボットの問題が非常に広範囲にわたっているため、全てのユーザーを扱うべきではありません。
Andreessen Horowitzによる「State of Crypto」レポート(2024年) によると、本物の人間はクリプトユーザー全体の14~27パーセントに過ぎず、残りの73~86パーセントはボットだと言われています。実際のユーザーの中にも、クリプトプロジェクトからお金を得ることだけを目的にしている人が多くいます。もし、トークンのエアドロップ(無料配布)が主にボットや利益だけ求める人々の手に渡ると、本当にプロジェクトを応援しているサポーターが損をしてしまいます。
プロジェクトが生まれた1日目から、私たちのプロジェクトである「Farm Frens」や「Everseed」の目標は、本物のファンで成り立っているコミュニティを作り、育てることです。私たちが報酬としてトークンをコミュニティにお渡しするときに理想的な結果は、エアドロップを受け取った人たちの多くが「裏切る(例: トークンをすぐに売ってしまう)」のではなく「協力する(例: 保有して、もっとトークンを購入する)」ことです。より多くのトークンホルダーのみなさんが協力すればするほど、みなさんにとってよりよい結果が得られるのです。
それでは私たちはどうやって、このような理念を実践しているのでしょうか?Farm Frensプレイヤーのみなさんのほとんどは、私たちの会社「Amihan Entertainment」の旅の一員になったばかりだと思うので、このブログを機に「Everseed」の初期に発表した私たちの基盤となる思想を改めてお伝えします。この思想は、私たちのチームがコミュニティ作りに対してずっと持ち続けている哲学とプロセスを示しています。
Web3領域が発展していく中で、私たちがこの分野に興味を持った大きな理由の1つは、クリエイターと熱心で情熱的なファンとの間に、どれほど深い関係が築かれるかを目の当たりにしたことです。コミュニティとのよりオープンな対話と協力的な開発プロセスに強く感動しました。Everseedの基本的な目標は、プレイヤーを何年、いや何世代にもわたって引きつけ、力を与えるデジタル社会を作り上げることです。多くのWeb3コミュニティを観察した結果、私たちはがっかりしました。コミュニティ内で話されるトピックの多くが金銭的な利益に偏っていたからです。Web3の技術で実現できる理想にはもっとすばらしいものがたくさんあるのに。その1つが、オンラインの友人とより深く、意味のある関係を築くことです。そしてこれは、初期のコミュニティ作りの基盤を作るものです🤝(省略)
プレイヤーを最優先することにしたのは、私たちがAmihan Entertainmentを設立する前に開発した「Riot」というすばらしいゲームを作ったときの経験に基づくものです。このアプローチはWeb3業界では新しいかもしれませんが、私たちはこれを未来のWeb3ゲームの基準として広めていきたいと考えています。(省略) みなさんの信頼を得て、共に私たちは、ゲームやテクノロジー、さらには人類全体にとって新しい時代を切り開くことができると確信しています。「機会の平等」を重視するという私たちのビジョンが、みなさんにも強く共感してもらえることを願っています。Everseedとともに、手を取り合い、新しい「コミュニティファースト」の社会を築いていけると信じています。この冒険をみなさんと共に始められることをとてもワクワクしていますし、みなさん1人ひとりと出会い、友だちになれることを楽しみにしています。(省略) みなさんの関心と理解に感謝します。ようこそ、私たちの家へ!💚
上記の投稿に続き、私たちが作成したEverseed NFTのAllowList、ミント(発行)、およびリビール(公開)のプロセスは、他にはないユニークなものでした。投機家や利益目当ての人々ではなく、本物のファンやプレイヤーに利益をもたらすことを重視していました。
昨年、私たちの優先順位は「Everseed」から「Farm Frens」に移りましたが、私たちのコアバリューは変わりませんでした。どのような製品を提供するにしても、私たちは常にこのような価値観を反映し、表現するコミュニティを育てることを目指してきました。
「Everseed」から「Farm Frens」に拡大してから、ロイヤリティの高い私たちのコミュニティはさらに強くなりました。同様に、Farm Frensから次のTGE(トークン発行イベント)に向けた新しいチャプターへ進化するにあたり、私たちはコミュニティが成功への最適なスタートを切れるように準備を整えたいと考えました。
Farm Frensのプレイヤーへのトークンエアドロップにおけるアロケーション量は「$NUTS」、「$DIRT」、「$DUNG」の3つによって決まります。これらの3要素はそれぞれ、経済、時間、社会的な貢献を追跡するための特定の役割を果たしています。要素のうち1つだけでなく、複数の要素に基づいてトークン配布を行うことで、私たちのチームはボットやチートをしている人々を罰し、本物のフレン(ファン)に報酬を与えられる柔軟性を持っています。
さらに、1月20日のスナップショット日の後にトークン経済圏の最終調整を行う必要がありますが、現時点でお伝えできることは次の通りです:
コミュニティへのトークンアロケーションのうち40パーセント以上は、現在(うち3分の2)と未来(残りの3分の1)のエアドロップ報酬として、トークン発行時に完全にアンロックする
関係者(チームやアドバイザーなど)への報酬は、トークン発行時に完全にロックする
今回のブログでお伝えしたことを通して、みなさんがこれからの展開に対してよりワクワクしてくださることを願っていますが、まだまだお伝えしたいことはたくさんあります。前述したように、**トークンの成功は、コミュニティが共通のビジョンを持ってお互いに信頼し合うことにかかっています。これまで私たちはその最初の重要な要素である「コミュニティ」について触れました。次回のブログ記事では、私たちのコミュニティのコアとなる信念が何なのか、そして私たちが一緒に作り上げる「文化」**がそのビジョンをどのように現実にしていくのかについてお話しします。