Synamonの武樋です。2016年、VR元年とされる年に創業しVR→XR→メタバースと事業を発展させてきた私たちですが、先日ついに「メタバース総合プラットフォーム」の発表をすることができました。
▼以下、リリース
Synamon、NFT活用も可能なメタバース総合プラットフォームを発表。スマートフォンからのアクセスや100人接続が可能に
「なぜこのプラットフォームを開発することになったのか?」
「どんな想いがあるのか?」
今のメタバースに関連して話題になるワードとしてWeb3やNFT、DAOなど様々な仕組みや思想が入り乱れたカオスなタイミングだからこそ、誤解なきようリリースを補足する内容を伝えたいと考え、記事にまとめることにしました。
昨年Facebookがメタに社名を変更し、メタバースの潮流が世界規模でおきました。これは単に「メタバースのブーム」が単発的に起きたわけではなく、過去から続くXR技術活用を含めた様々な内容、領域における社会のデジタル化の流れが「メタバース」というワードに集約され一気に広まった状況と考えております。
この半年の間にNIKEやDisneyなど世界的大手企業が実活用に動いたことで、世の中にメタバースに対する「ニーズ」が明確化されました。つまり、「メタバース」というワードへの集約と、0→1の市場が1→10のフェーズへと変化した転換点だったとも捉えています。
Synamonも昨年秋に「メタバース構築支援サービス」の提供を開始し、自分たちの事業ドメインをXRからメタバースへと進化させました。これまでXRに特化して事業を行ってきた経験を元に、世の中の変化を敏感に感じ、今後の大きな潮流を明確に理解できたからこそ、私たちの事業もXRからメタバースへと昇華させた。ある意味、自然な流れといえます。
では、XRからメタバースになることは、何を意味しているのか?
自分は、メタバースへの市場変化をシンプルにお伝えするとしたら「リッチなデバイス体験 < 手軽な3DCGコンテンツ体験」の状況に確定された変化だと考えています。時代の潮流としてVRだけではなくARも含め、専用デバイス利用を前提としたリッチなデジタル体験よりも、3DCGコンテンツを当たり前にするための利用の手軽さを構築、提供することに主眼がおかれるようになったという話です。
Synamonは創業時より未来創造に向けてのチャレンジとして、XR市場の0→1フェーズに向き合ってきました。
特に「NEUTRANS」はVRデバイスでの質の高い体験にこだわりを持っていたので、デバイスと3DCGコンテンツの両方を大事にしてきました。もちろんXR市場を広げていくには必要なことでしたし、やってきたことには自信を持っています。
とはいえ、企業やユーザーからすると「新しいデバイス(HMD) × 新しいコンテンツ(3DCG)」の組み合わせとなり、同時に2つの新しいことにチャレンジしてもらう必要があり、ハードルが高い状態でもあったと考えます。
また、デバイスの普及には想像を超えかなりの時間がかかるという現実も、ずっとXRと向き合ってきたからこそより鮮明に感じている部分もありました。
そんな中で起きたメタバースの潮流。
コロナ禍においてバーチャル空間の活用が広まる中で、スマホなどの既存デバイスで3DCGコンテンツに触れることへのハードルも一気に下がりました。
デバイスと3DCGの両軸にこだわりつづけるのではなく、メタバースに舵を切り、まずは3DCGでの体験を広めることにフォーカスしたほうがいいのではないか。
もちろん、私たちが目指すビジョンとしての「デジタルとリアルを融合させた世界」をベースとした未来創造に向けクリエイティブな社会の実現と発展に貢献し続けるという想いは変わりません。
そこにたどり着くまでのステップとして、今まではXRという専用デバイス利用を前提に据えて考えてきましたが、時代に合わせより大きな概念であるメタバースからのアプローチに切り直す、これがSynamonがこの半年で決め、進めてきた活動です。
ようやく1→10のフェーズに入ったメタバース市場を全力で発展させることが自分たちが目指す世界により早く到達するための道だと判断した結果でもあります。
最終的にはSynamonはプラットフォームの提供だけではなく、その裏側の技術基盤の提供を行っていきたいと考えてます。
実は技術基盤を提供したいという考えは創業期からずっと持ち続けており、メタバースを当たり前に発展させるためにも基盤を提供するのが長期的には必要となり、ベストな選択肢であるとも考えています。ここでいう技術基盤とは、各種toolkitのようなライブラリや、開発向けのSDKを始め、インフラ側としてのクラウドシステムの提供なども含み一旦まとめております。
とはいえ、サービス提供レベルの本格的な基盤構築に取り組むためには金銭的にも人的にも莫大なコストが必要になります。また、サービス提供が出来たとしても、ようやく1→10のフェーズになったばかりのメタバース領域に対して、基盤活用レベルの投資を決断して大規模対応を進めることができる企業はどのくらいいるでしょうか?
正直、ほぼいないと考えておりますし、大規模な基盤技術提供という方式は直近での手軽さという市場のニーズからも外れてしまいます。このフェーズでは技術基盤の提供を中心に据えるのではなく、プラットフォーム型で、たくさんの事例を生み出していくほうが良い。基盤技術部分は自社内での活用を中心に構築は継続しつつ、サービスとしては「メタバース総合プラットフォーム」の提供に決めました。
このプラットフォームには、100人規模の多人数同時接続ができる仕組みが実装されます。
さらに、複数の空間パターンを用意し、それぞれが密に結合し行き来できる仕組みを提供することで、自由度の高いメタバース構築が可能です。
大人数でワイワイすることも、少人数のリッチな体験も、どちらもつくれるのがSynamonのプラットフォームの強みです。
また、このプラットフォームは、初期はエンタープライズに対してサービス提供をおこなう形で取り組みを進めます。そこがSynamonの得意領域であり、Synamonがやるべきところだと考えているからです。
今までエンタープライズ向けにXR技術活用に向けたソリューションを提供し、数多くのお客様に満足していただきました。その経験で養われたSynamonメンバーの提案力や対応力は、「メタバース総合プラットフォーム」でも遺憾なく発揮されるでしょう。
技術面でも、ビジネス面でも、Synamonだからこそ実現できたと言ってもらえる事例が、このプラットフォームから生まれていくはずです。ぜひ期待しててください。
「なぜメタバース市場が1のフェーズになったのか?」
それはマーケティングやプロモーション、ブランディング目的での活用事例が世界的に生まれ、成功の兆しが見えたからです。だからこそ、「メタバース総合プラットフォーム」では、マーケティングやプロモーション、ブランディング目的での事例づくりに初期ユースケースとしてフォーカスしていきます。
こちらの『なぜ「エンタープライズ向けメタバース構築支援サービス」をはじめるのか?』の記事でCOOの武井も述べてますが、世界そのものを自由に創ることができる3DCGは、企業のブランディングやマーケティング活動と相性がいい技術です。自由度が高いからこそ、世界観やブランドメッセージをしっかりと表現することができます。
実際、様々なIPやブランド企業が軒並みメタバース構築の発表をしています。
いちユーザーとしても、「自分が好きなあのアニメや映画の世界に入れる」「このブランドの世界観を体験できる」ことは、メタバースにふれる強いきっかけになると感じています。
そして1人でも多くの人がメタバースに触れることで、よりメタバースが当たり前になっていくと考えています。
ちなみに、こういったプロモーションやブランディングのニーズに応えていくとなると、より多くの人に対して体験を提供できることが前提になってきます。だからこそ、スマホなどの誰もが持っているデバイスからアクセスできることが必然になります。
総合的に判断して、今回のメタバース総合プラットフォームの構想にたどり着いたという背景もありました。
「ビジネスとしてのニーズがあり、相互補完のwin-winの関係が作れるから」
この一言につきます。
メタバースが普及していくためのセンターピンのひとつに「コミュニティ形成」があると考えています。XR活用時の課題でもありましたが、日常的に使ってもらえるサービスに昇華させる必要がありました。
一方、NFTに関しては、NFTとしての価値を高めていくためには強いコミュニティの形成と、継続的な運営がカギになると捉えています。現状NFTを取得するためにはある程度の技術リテラシーと、強い興味関心(ファン、推し、コレクター的な要素)が必要な状況です。
例えばあるIPコンテンツのNFTが複数ある場合、購入したユーザーが集まることで一定のコミュニティが形成される状態は自然と作れるかと思いますが、そのコミュニティを継続して運営、活性化させることは容易ではありません。
この課題を打開する打ち手のひとつとして、世界的にも有名なBAYCやCloneXなどのNFTコミュニティは当たり前のようにメタバースを活用した取り組みを発表しています。他のNFTコミュニティも同様の取り組みを行うことは容易に想像されますし、既にリリースも散見されます。
つまり、コミュニティ活用の場を提供したいメタバースと、コミュニティ活動の場を広げたいNFT。相互補完的に取り組むことでwin-winな状況をつくることができると考えてます。
さらに言えば、クライアントから今まで「XRやメタバースは投資リターンが見えづらい」という課題や相談をたくさん頂いていました。
この問いに対しては、メタバースにNFTを組み合わせて活用することで、企業側にも明確なマネタイズポイントやメリットが発生することになります。そうすれば、企業もメタバースを活用しやすくなる。
だからこそ、今回のリリースではNFTを活用している企業を初期ターゲットとして発表し、提供するプラットフォームについてもNFTの活用を見据えた仕組み構築の優先度を上げて開発を進めている状況です。
ただ、改めて伝えたいのは、私たちの事業の中心はメタバースということです。
Synamonがやりたいことは、メタバース市場を発展させることであり、ようやく1になった市場を10まで大きくすることです。
NFTという単語を聞くと反射的にネガティブなイメージを持ったり否定される方も一定数いること、特にメタバース界隈では敏感な状況であることは理解しています。個人としても全てが良いものではなく、マイナスの側面や不確定な要素も存在すると理解しています。
しかし、NFTを既に活用されている企業の方々とも年明けから数多くディスカッションさせて頂く中で、ことコミュニティ活性化という要素においては前向きに協力して取り組みたいですねというお話に必ず行き着いており、今回の方向性となっています。
更に1点補足するとしたら、弊社サービスがエンドtoCに直接ではなくエンタープライズ企業に対して提供するサービスでもあるため、弊社側でも一定の閾値などを置き、各種確認を踏まえてサービス提供することでガバナンスを効かせられるとも考えています。
混ぜるな危険という前提を置きつつも、デジタル社会を加速させるためには、メタバース的な取り組みとWeb3的な取り組みは並行して発展していく領域だと考えてます。この界隈は複雑かつスピードが早いこともあるので数カ月後には状況が変わっているかもしれませんが、まずSynamonではメタバースとの組み合わせとしてNFTに注目し、双方の橋渡しを先陣を切ってやっていきたいと考えています。
自分も毎日必死に界隈の勉強をしているところですので、色々な方とディスカッションしながらより、良い未来を模索して行けると嬉しいです。
「メタバース総合プラットフォーム」の開発に至った背景や、リリースの補足説明をまとめさせていただきました。長くなってしまいましたね。
NFTの行が一番印象に残っているかもしれませんが、NFTはあくまで1→10のきっかけの一つにすぎません。市場が成長していく中でメタバースが活性化すれば、メタバースをやってみたいという企業ももっと増えていくでしょう。
そうなれば、NFTの活用有無にかかわらず、自社のもつIPやブランドをデジタルブランディングしていきたいという企業にも広く提供していきたいと思っています。
対ユーザーに対しての機能拡張やグローバル展開といった、10→100を見据えた動きもとれるようになるでしょう。
デジタルとリアルが融合した世界をつくることは、Synamonの創業当時からの変わらぬ想いです。
今回の「メタバース総合プラットフォーム」は、Synamonのビジョンである「BE CREATIVE, MAKE FUTURE」に必ずつながると信じて突き進みます!
そんなわけで、メタバースが当たり前になる未来づくりに興味を持って頂いた方が一定いるかと考えてますが、そんなあなたをSynamonでは積極採用中です!
世界規模での時代変化に全力で当事者として関わりたい方には最適なタイミングかと思いますので、是非お気軽にご連絡いただけると幸いです。
カジュアルにお話しましょう。
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