DefiLlamaの内部インシデントについて
March 20th, 2023

おはです<(`・ω・´) 本日は夜に和組の集まりが2件あるので、なるべくなら両方参加できればと思っていて、昨日の最大手のTVLアグリゲーターであるDefiLlamaが内部抗争により2つに分裂した件について、わかったことを短くまとめます。ツイッターの日本語情報としてはSOUさんが流してくれていましたが、たぶん、一番まとまった記事は以下かと思われます。

分散型金融(DeFi)分析ダッシュボードのDefiLlamaで内輪揉めが発生し、週末に従業員の1人がこのプラットフォームをフォークすることになった。

従業員の一人というのは、ツイッターの @0xngmi 氏以外ありえないかと。その後、従業員が多くが彼/彼女の側についたようです。

問題は、同社がトークンをローンチする計画で起こった。3月19日、DefiLlamaの偽名開発者0xngmiは、同社のチームが「敵対的買収を受けている」プラットフォームをフォークすると発表し、DefiLlamaの創業者が社員の支持なしにトークンを立ち上げたと非難した。

0xngmiによると、defillamaのツイッターとドメインの両方をコントロールしている人物が、「チームの全員がそれを望んでいないにもかかわらず」トークンを立ち上げることを決定」したという。「過去3年間サイトを構築したDefiLlamaチームは(中略)、Defillamaをフォークしてllama.fiで新しく始めることにした」と明らかにした。

この人物はdefiLlamaの共同創業者3名のうち、ツイッターが現在、鍵垢となっている @0xLlam4 氏のことかと思われます。

チャーリーさんというんですね。

CoinTelegraphさんの記事を続けます。

「要するに、defillamaチームの一人の承認もなく、LLAMAトークンを立ち上げようと計画している人がいた」と、DefiLlamaの親会社であるLlama Corp.の複数のプロジェクトで貢献者であると主張する偽名ユーザーTendeenoは述べた。

以下の方ですね。

非常に具体的にわかってきました。DLというのはDefiLlamaの略ですね。なお文頭以外は英語の文法に厳密で、defiLlamaと頭文字を小文字で記すようですが、日本語記事なので、この原則は無視します🙇

  • ngmiは、Llam4とほぼ同額の資金をDefiLlamaに投入しています。

  • Llam4はDL社員の給料を払わなかったが、ngmiは払った(助成金が始まるまでの期間)。

  • ngmiはDLの70%を合法的に所有しています。

  • Llam4が実質的にDLでやった仕事はありません。

テレグラムチャンネルで、Llamaは次のように述べている。

"0xngmiと数人のチームメンバーが不正を働いており、彼らはDefiLlamaのIPとコミュニティを押収し、不正確な方法で正当な所有者を主張し、敵対的買収を行なっている。"

一部のツイッターユーザーは、DefiLlamaの共同創設者であるCharlie WatkinsとBen Hauserへの支持を示している。DeFi開発者でヤーン・ファイナンスの創設者であるアンドレ・クロニエ氏は、次のように述べた。

「必要な収入を稼がずに、イデオロギーを持つのは簡単だ。チャーリーは、何年も前からDefillamaの経費のすべてを負担してきた。彼がしてきたことをすべて否定する人たちを見ていると、うんざりする。出血を止めようとするのは、欲ではなく、持続可能性だ。彼の 「無償のお金」なしで、どれくらい持つか見てみよう。彼らはすぐに広告やトークンを増やしたり、追加したりするだろう」

アフィリエイトスポンサーのヤーン・ファイナンスはチャーリー側についた模様…ではないですね。ヤーン・ファイナンスは元の方のDeFilLama(チャーリー側)でも、新しいLlama.fi(0xngmi側)でもアフィリエイトスポンサーに登録されていません。そこは、たぶん、他のアフィリエイトスポンサーにきいても、回答を保留されたので、超大手DeFiのヤーン・ファイナンスに尋ねたのではないかと思われます…ヤーン・ファイナンスからのコメントはこの件との結びつきが浅いので、実質的に関係ないかと。

過去に記したDefiLlamaの資本調査の記事をみると、そういえば、この時点ですでに矛盾点がありました。

え、アフィリエイトの件はここで説明はぶいた💦 なんかおかしいと思って、ググってみると、LinkedInに不穏な記述が…

そういうことか。もともと、トークン発行だけでなく、掲載元から掲載料の調達をしようとする動きが、DefiLlamaの一部だけであったため、LinkedInの記事が出たと考えるとつじつまがあいます。

なお、新しいLlama.fiでも、Chrome拡張機能の表記は、元のサイトと同じでした。

なお、Discordについては、両方のサイトとも、同じサーバにリンクされていました。そして最新のアナウンスのは0xngmi氏のもので、サーバ名はDefiLlamaのままになっていても、実質的にadminロールのある0xngmi氏が掌握していると思われます。

会社サイトから張られているテレグラムのリンク先は、以前のものから変わっていません。14千人も1日で入ることはないですから。こちらもチャネル名はDefiLlamaのままです。なお、20日に入ってからは定例のRoundUpの投稿がなされておらず、最後の投稿は昨日のものです。異様な雰囲気というのかな。

そして、結局、新しいツイッターアカウントの方も、0xngmi氏のツイートをRTしていますが、アカウントの説明は簡素で、普通はここに新しいLlama.fiのURLを記した方が、アカウントの信頼性に寄与するはずのところが、記していません。

ということで、動向はたぶん流動的で、もう一度おなじ会社で働きたい意思は、従業員の中にあるようです。なぜなら、アフィリエイトとドネーションだけが運営資金なわけですから、事実上、アフィリエイトとして資金提供しているDeFiで、DAO的ガバナンス投票により、どっちへのアフィリエイトを支持するか結果が出たときに、それらが半分に割れて、元のサイトと新しいサイトの両方に半分づつしか資金が入らないという状況がありうるので、早期に袂を完全に分かつということは、お互いの不利にしかならないです。

しばらく、アフィリエイト先のDAO投票をみてみないとなんとも言い難い状況が続きそうです。個人的な考えですが、技術サイドがわかるリーダーがいないとこの手のサイトは回らないし、これだけ有名なTVLアグリゲーターになった以上は、資金は従業員の多数が納得できる形でトークン発行すれば賄えるので、0xngmi氏の新しいLlama.fiの方を参照することにしようと思います。たぶん、チャーリーさんがトークン発行をしようとしたのが問題ではなく、チャーリーさんがトークンの監査も、プラットフォームの監査も、バグバウンティの必要性も理解しないまま、セキュリティの担保できない、よくある、むちゃぶりトークン発行を強行しようとしたからではないかと思います。

平たくいうと、経営サイドと技術サイドで意見の相違があるのは当たり前で、この分裂も、web3業界であるため、影響する規模が大きいにもかかわらず、たった1日で表面化したこと以外は、通常の会社経営でよくあるインシデントであろうと思われます。

以上、様子見ですね<(`・ω・´) たぶん、元の鞘に戻るような気がします。

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