本記事は、Aave Chan Initiative創設者であるMarcZeller氏による投稿する許可を得た上で日本語に翻訳と編集したものです。MarcZeller氏に感謝申し上げます。
元記事:The Decentrazation Journey
*Lens Accountを持っている方は元の投稿をcollectして下さい(0.5WMTIC)
以下、翻訳です。
=============
はじめに非中央主権化への旅道での注意事項をお伝えします。
各段階での移行プロセス(非中央主権化への旅 )は強引な手段や一部の人間による転覆であってはいけません。移行プロセスは、権力と支配の健全な希薄化を特徴とする、緩やかなものであるべきです。
うまく実行された非中央集権化への移行プロセスは、協力を促し、利害関係者の間で責任を共有する感覚を育みます。また、各ステージで多様な参加者の知見や貢献が得られるようにすることで、プロジェクトを真の分散化へと導き、最終的にコミュニティ全体に利益をもたらすことができます。
ステージ間の移行を慎重に考慮することで、真の分散型未来を実現する可能性が高まるだけでなく、より広範なDeFiエコシステムに対する信頼も得ることができます。
MVP(Minimum Viable Products,必要最低限の機能を備えた製品)をbuildし、PMF(Product-Market Fit,適切な市場に製品を届ける )を完了させる。分散化は特に無く第一段階では開発チームが製品のコントロールを行う。また、トークンを発行してる場合はガバナンストークンとしででは無くファントークン的な位置付けになる。
分散化へのはじめの一歩、資金調達ラウンド(初期投資家が誕生)。効率性を維持しつつ分散化への道を探っていく段階です。注意点はVCや初期投資家の影響力を克服するのは難しい、この段階の主な目標は「成熟したDAOステージに移行するための土台を築くこと」です。
この段階では、VCや初期投資家の影響力を克服されており議決権を独立した代議員(Delegater)に委譲し、意思決定の自由度を高められている。健全な収益源があり、サービスプロバイダー([service providers])はDAOから報酬を得ている。ガバナンスは透明で予測可能であり、十分に定義されたフレームワークが用意されてる。積極的なガバナンストークンホルダーは、ステーキングや他のプロトコルの役割を通じて、余剰のプロトコル収益から分配金を受け取れる。
現在MakerDAOは第3段階の初期段階に差し掛かっていると思われます。Aaveでも第三段階への移行のための議論と実験が始まっているが主要製品の一つとなる[$GHO]がローンチしてない今の時点では第三段階への移行は高いリスクを伴い慎重な移行が求められ少なくとも3年以上は掛かります。
*第一段階(開発チームのみ)から第二段階(寡頭制の政治)への移行では初期投資家やその他のステークホルダーの影響によって徐々に希釈されていくはずです。その後の第三段階(成熟したDAO)では、選ばれた代表者によってオリガルヒの権力はさらに希薄化されるはずです。このように徐々に希薄化していくことで、スムーズな移行が可能になり、プロジェクトを不安定にするような劇的な混乱を避けることができるます。
本段階は分散化の聖杯を意味し達成するには非常に困難であり、完璧なコードと実行なくしては不可能です。これにはシンプルもしくは単一の機能を持つモジュールを提供するプロジェクトが適しており最も分かりやすい例を挙げて言うとBitcoinです。恐らく[Ethereum]と[LUSD]もこれに近いと言えます。
*古代ギリシャで実践されていたような直接民主主義がDAOの最終目標であり、代替となる 第四段階(支配なきプロトコル - 分散化の聖杯 )であると主張する人もいるかもしれません。しかし、そのようなシステムの限界を考えることが重要です。古代アテネでは、直接民主主義のプロセスに参加した自由男性は約4万人(推定人口25万人のうち)しかおらず、奴隷と女性が労働の大半を担っていた。このことから、現代のようにフルタイムの仕事をしている個人が、DAOのガバナンスに直接参加する時間や意欲があるのか、という疑問が存在する。
dAppsやDAOの成熟度や可能性を評価する際には、分散化のスペクトルを理解することが極めて重要です。明確な段階とそれぞれに関連する課題を認識することで、プロジェクトの進捗と分散化の道へのコミットメントをより適切に評価することができます。
DAOの現状に固執するよりも、一歩引いて、分散化の段階を経ながら、その軌跡を観察する方が、より深い洞察につながります。より大きな分権化を目指す姿勢を示すDAOを評価し、奨励する一方で、非中央集権化が進んでいるように見えるプロジェクトには懸念を示すべきでしょう。Yearnは、第三段階の"fair launch"なプロジェクトとして始まったものの、第一段階に逆戻りし、2022年9月以降、DAOの投票数がゼロとなった稀有な例である。
さらに、DAOが各段階の移行をしたときの軌跡を調べることで、純粋に非中央集権化に取り組んでいるプロジェクトと、後退している可能性のあるプロジェクトを識別することができます。このように分散化スペクトルを総合的に理解することで、ブロックチェーンやDeFiのコミュニティは、情報に基づいた意思決定を行い、分散化の理想を真に目指すプロジェクトをサポートすることができるようになります。
以上のことを踏まえて非中央主権化への旅へ出発しましょう!!