最近、「Taxation(徴税)」についてもう少し深く考えることは、技術はあってもそれが実装できていない世の中の多くのプロジェクトをよりうまく進める上で必要だと感じる。
「限りある予算から、どんな方法を使えばAllocative Efficiency(配分効率)を最大化しながら公共財プロジェクトに対して資金を分配できるのか」という実験自体は、GitcoinやHypercertsが取り組んでいるのを見る限り、大まかな方向性は見えてきたような気がする。
しかし、これらの「分配方法」自体は効果検証がされつつあっても、より拡大していくためには持続可能性のある形で財源を確保することが必要だと感じる。
自分たちで徴税機構を作れなければずっと予算取りの政治になってしまう。システムとして、きちんと徴税をすることが必要。
(これは自分が(いわゆる”Web2”領域で)Civichatという政府が運営する社会保障制度を推薦するGovTechサービスのスタートアップを経営していたからこそ感じることでもある。)
この記事では、合意形成を経て分配する技術(Gitcoin, Hypercerts)のほか、徴税機構をより深く考えるためにPartial Common OwnershipやRetroactive Public Goods Fundingなどを取り上げる。最後に、”Web3”のみならずOSSに対して遡及的に資金分配を可能とすることが出来るツールなども紹介する。
まずは、前提知識として分配方法という技術について、今あるものを紹介していく。これらはEthereumエコシステムにおける統治技術の実験の一環として行われていて、最終的にはこれらを組み合わせていくことが必要だと感じている。
Ethereumエコシステムを国家に例えることが多い。国家というのも、1つのエコシステムである。通貨が存在し、市民である人々がその中でやり取りをし、仕事に従事し生産する。そして、市区町村・都道府県・国家を跨いだ「移動の自由」が市民の権利の1つである。
“より良い公共”を提供できない国家は、市民による移動式投票により人口が減少し、税収が減少し、税収が低いが否に公共に対する投資が出来なくなっていく。
離脱・発言・忠誠
このような国家と同じ構造は、パーミッションレスなワールドコンピューターというインフラを提供するPublic Blockchaiの場合も当てはまる。Ethereumそのものは国家に近いし、機能として競合する他のチェーン: Arbitrum, Optimism…にも当てはまるだろう。
「国家」と聞いて思い浮かべる時に警察・軍事・戒厳令などの公共サービスの予算は税金から充てられているように、Ethereum(というエコシステム)が自ら提供する機能は大きく2種類に分けられる。
ワールドコンピューターとしての機能
エコシステムをより拡大していくために、公共財に対する投資
そもそも、Public Blockchainはブロックを販売するビジネスである。インターネット上で止められない、分散型の価値伝達のためのサービスを提供しています。
人々はブロックチェーンが何を売っているのか忘れている。
アップルはiPhoneを売り、フェイスブックは眼球を売る。 ブロックチェーンはブロックを売る。ブロックはグローバルな銀行台帳である。
ブロックはメタバースの財産権である。
ブロックはデジタル国家の経済である。
ブロックは文明のトラスト・アンカーである。
ブロックスペースを提供するのに必要なのは、そもそもブロックチェーン自体を動かすために必要なマイナー・バリデーターの存在だ。
Ethereumが発行している1日のマイニング報酬は約13,500ETH($40M)で、トランザクションに対して1,500 ETH (~$4.5m)と、年間何十億ドルもの資金がネットワークセキュリティに使われていることになる。
例えば、Ethereum上でDEXを作る動機は「このアプリケーションがあれば、開発コストよりも大きな利益が得られるから」という純粋な商取引的なものでもこの概念はうまく当てはめられる。
「(安く)ブロックスペースというインフラを買い→(アプリケーションを乗っけるという文脈で)加工し→サービスを売る」、普通の産業と変わらない構造。 その後、サービス利用に対して手数料を課すことが出来る
なぜDEXが利用されるのかというと、「ワールドコンピューターという仕組みの上で動くFinancial System)が既存のInstitutionよりも上手く機能すると期待されているから」である。
「なぜ既存のInstitutionの構造をクリプトプロジェクトで作り替えると上手くいくのか?」という疑問を持っている人は、ブロックチェーンの歴史をおさらいしてみるのが良いと思う。
ブロックチェーンの歴史
1. 2005年、ギリシャは政府と救済債権団との協議が決裂寸前となり、銀行の破綻を防ぐため、銀行口座からの引き出し額に制限を課す。
2. 2008年、サブプライムローン問題をきっかけに、世界的な金融危機が発生。
リーマン・ブラザーズが破綻し、世界中の多くの銀行や金融機関が政府による救済を必要となる。いわゆるリーマンショック。
これらの事件は「現代の金融システムのもろさ」や「銀行やその他の金融機関が人々の資金をリスクにさらす可能性がある」ことを認識させました。https://keccak255.substack.com/p/f9e?utm_source=profile&utm_medium=reader2
今まで国家が通貨を発行していて、国家という"公共"・エコシステム内ではその通貨しか使えなかった。
先ほど、「Ethereum自体も他のL1 Public Chainと競合するのだ」と述べた。これは主にブロックスペースを売るビジネスとして、他のチェーンと競合しているのだ。
ブロックチェーンはその性質上、パーミッションレスなので必然的に移動式投票が増える。以下が主なポイントになる。
技術的指標
技術的特性
エコシステムの成長指標
そもそもそのPublic Chainの中に人や財が流通しているのか
エコシステムの指標
この構造を、他の例に例えると分かりやすいと思う。例えば、国や地域など。
EUの言語は英語(と仮定)で、€(ユーロ)が通貨になっている。日本でいう、「都道府県を跨いで通学する」ような気軽さで国を移動する。
場所が変わると雰囲気は変わるが、言語や法律が変わらないとしたら、もっと今より移住・移民しやすくなるのが想像できると思う。
これに加えて、入国審査やビザなどもない(誰の許可も必要とせずに国・エコシステムの一員になることが可能)とすると、そのエコシステムの雰囲気が自分に合わなければ別のところに移動することがもっと簡単にできるようになる。
以上では、Ethereumエコシステム自ら提供する機能のうち、「ワールドコンピューターとしての機能」について触れたが、市場の経済論理は、1対1の相互作用の繰り返しに「分解」できる活動に最適化されており、アート、ドキュメンテーション、科学、コードが、不可逆的な1対多の相互作用を通じて生産・消費される情報空間は、それとは正反対である。
このような環境には、解決すべき重要な問題が内在している:
そこで、**現在はEthereum Foundationが主に指揮をとり、公共財に対する資金提供を担っている。**他のPublic Chainも同様だ、台湾のデジタル庁(TaiwanMODA)で働きながら、Pluralityの領域で先進的な取り組みをするMashbeanも、同じような点について言及している。
Luna Foundation、Tezos Foundation、Ethereum Foundationなど、さまざまなパブリックチェーンの助成金審査担当者とも話をした。当初の意図は異なるかもしれないが、**彼らは皆、デジタル公共財にある程度資金を提供する役割を担っている。**イデオロギーや政策が異なる投資家は、エコシステムに極めて異なる展望をもたらすだろう。
https://mirror.xyz/mashbean.eth/FcAhG09GNPI2s7LXj-JJ6fp38cmXElg2nFKenK5CueY
Public Chainの財団がどのような動きをするのかについて詳しくは「EFによる資金助成対象のプロジェクトのカテゴリー」などを読んでほしい
つまり、「なぜEthereumエコシステムには助成金の仕組みが存在するのか」という答えは、アプリケーションを作るDeveloperや、エコシステム自体を充実させる公共財としてのアプリケーションを呼び寄せ、繋ぎ止めるために存在する。
さて、これまでの章で「公共財は良いものだ」ということはある程度理解できたと思う。このEthereum Foundationなどが公共財に対して投資するインセンティヴは、既存の国家とほとんど変わらない。
しかし、どのようにしてその公共財を育てていくのか、それが問題だ。まずは既存の国家がどのように公共財を支援していくかについて触れていく。
公共財(つまり、誰かを排除することなく、すべての人に利益をもたらす財)は、典型的な”市場”を通じて資金を供給することが困難です。その利益を誰も独占することができないため、あらゆる人が「フリーライド」しようとする。これは経済学の古典的な問題である。
政府や慈善団体のような中央集権的な資金提供者は、この市場の失敗を是正しようしばし介入する。しかし、このような資金提供は、それ自体が問題を引き起こします。具体的には、コミュニティであれば選択しなかったであろうものに資金を提供する。
次の段落では、公共財に対して資金を分配するプロジェクトの代表的な例として、GitcoinとHypercertsについて紹介する。
どの財に対してどれぐらいの資金を助成するべきかという”決め方の倫理”を大きく改善したものに、Gitcoinがある。
いわゆる、「助成金(Grants)の分配」を次のレベルに引き上げたという意味で、Ethereumエコシステムの中でも特筆すべきプロジェクトだと思う。
従来はEthereum Foundationなどの中央集権的で単一の意思決定者が助成対象のプロジェクトや金額を決定していたが、Gitcoinは単一の意思決定者に依存しない資金分配方法としてのQuadratic Funding(Plural Funding, Quadratic Financeなどとも呼ばれる)を実験した:
Quadratic Fundingの利点
「どのプロジェクトが(市民から求められていて)資金提供が必要な公共財か」という情報を収集することができます
本来であれば財団や政府が一つひとつに対して審査・助成を行っていたものが、より効率的かつ迅速に分配することができるようになります
中央集権的な資金提供者(政府等)が提供したマッチングプールの分配先を決定する嗜好を示す方法として寄付を利用するので、募金を最大化することができます
Gitcoinについて
そして、このメカニズムをEthereumエコシステム上で実装しているGitcoinは、大まかにいうと以下の流れで公共財プロジェクトに資金を分配する
公共財プロジェクトはGitcoin Grant Roundと呼ばれる定期的な助成金分配ラウンドに掲載する
Ethereumエコシステムの市民は誰でもお気に入りのプロジェクトに寄付することができる
彼らの寄付先・寄付額をもとに、Matching Pool(助成金の予算)から各プロジェクトに対して資金分配される
ポイントは、Matching Poolという助成金の予算から、各プロジェクトに対して分配され、市民の寄付額を志向の強さを表す指標として 利用することで従来の分配方法よりもより民主的な意思決定をすることが出来る。
Gitcoinはこのメカニズムを通して、Ethereumエコシステムのプロジェクトに対して$50M以上の資金を分配しているほか、(”Web2”としての)OSSや、UNICEFと協力し世界中のNPOに対しての実証実験を行いました。
Gitcoinのマッチングプールの予算はどこから来たのか?
華やかな実績を持つQuadratic Fundingですが、GitcoinにおけるMatching Poolの予算は、Ethereum Foundationをはじめとする財団、GnosisやConsenSysなどの大手クリプトからの寄付によって賄われています。
この資金提供の持続可能性については、GitcoinのFounderであるOwockiも認識しています。
Gitcoinの今後
現在、Gitcoin DAOがガバナンスを握って運営しているが、彼らはGitcoinというプラットフォームを「Allo Protocol」という名前でProtocolizeする方向に(QFツールを提供する方向)に舵を切ったようだ。
これにより、誰もが自分のエコシステム内でQF Roundを開催することが出来るようになった。
「Hypercerts」は公共財プロジェクトが産んだ結果の評価の枠組みをクリプトネイティブな仕組みで支えるプロジェクト。“Impact certificate”と呼ばれる分野の一つで、信頼できる中立性を保ちながら、納得感のある評価をする仕組みがポイントになる。
公共財に対していち早くキュレーションするインセンティブをつけたHypercerts
「公共財プロジェクトが産んだインパクトを測定し、そこに対して遡及的に報酬を分配する」という形は、現実の政府でも実験されている。具体的には、SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)と言われる仕組みで、海外のみならず日本でもいくつか実現されている。
具体的には、「糖尿病性腎症者を対象とした食事療法の保健指導による人工透析移行の予防」や『大腸がん検診未受診者を対象とした受診勧奨による大腸がん早期発見者数の増加』などが挙げられる。
Hypercertsが参考にしているSIBは、行政から公共財プロジェクトに対して資金が分配される。さて、この「行政」は市民の財の取引から徴税をすることができ、それが公共財を助成する財源になる。
これが問題だ、どうやって財源を確保する?
これまでに紹介した、Gitcoin(とAllo Protocol)やHypercertsは、”資金がある前提で、それをいかにして納得感のある形で分配できるか”というのを模索しているプロジェクトだった。
しかし、その財源は持続可能なものなのだろうか。そこで、公共財に対して持続的に資金を供給するために、Taxation(徴税)が必要になってくる。
既存の国家では、警察・軍事力による強制力をもとに、徴税を実現していた。そこで、Ethereumエコシステムはどのようにして公共財を支えていくことが出来るのだろう。
一つは、売上に対する課税と同じように、以下のツイートで落合氏が言及しているように、
feeの発生させられるプロトコルが自身のfeeの全部をgitcoin等に流して、自身を支えるOSSを維持していく。
というのが考えられる。
同じような意見として、Vitalikも以下のように述べている。
「(一部の資金を持った)クジラの財源を当てにした助成金は悪い仕組みだから、
[より良いものX]
が必要だ」と言う人は、的外れなことを言っています。 Gitcoin grantsは、2次関数的な資金調達のための試運転です。長期的な目標は、L2/アプリ(ロールアップMEVオークションなど)からのTX手数料が直接マッチングプールに供給されるようにすることです。混雑するもの(希少資源、マイナス外部性)には課税し、公共財には補助金を出すという、優れた経済設計の基本原則を忘れないでください。
混雑するもの:TX inclusion、MEV、ENS、注目、ステータスシンボル...。
公共財:ネットワークセキュリティ、開発、研究、教育など。
混雑するものに対して課税し、公共財に分配する。この原則を愚直にやるためには、徴税レイヤーからやる必要がある。
L2 Public ChainのOptimismが公共財に対して資金を助成する取り組みの1つに、「Retroactive Public Goods Funding(RetroPGF)」というものがあります。
Optimismによる実験の仕組み
Optimismチームが提案しているのは、Optimism上の利益をすべてこの実験(公共財への資金提供)にあてるという方法で、以下のような仕組みです。
① DAOをつくり、Optimismの収益をすべてこのDAOに回します。
収益はどこからくるかというと、Optimism上の*「Sequencing」という仕事における利益です。
② 貯まった資金を、どの公共財(オープンソース・プロジェクト)へ分配するかを、DAOが決めます。
未来に役に立ちそうか、ではなく、「すでに貢献したか」という結果で評価します。そのためDAOの名前は『Results オラクル』と説明されています。
DAOのメンバーは、最初は20-50人くらいの技術に精通した人になる予定になっています。
「すでに貢献度の高いプロジェクトの中から選ぶ」という点が重要で、未来に何が役に立つかよりも、すでに貢献度が高いものを選ぶのはより明らかなので、DAO内でのコンセンサスがとりやすいためです。
③ どこに資金を提供するか決まったあと、どのように資金を提供するかは、以下のように複数の方法があります。
個人や組織
コントラクト
プロジェクトのトークン
上2つは、アドレスに対して資金(ETH)を送るだけで、シンプルな資金提供です。
3のトークンを持つプロジェクトに資金提供する場合は、分配する収益を使って、プロジェクトトークンへの買い注文を作ります。これで価格の下限(図の青色の線)をつくってあげることで、プロジェクトのトークン保有者が売って収益化できたり、価値を押し支えることができます。
このメカニズムがGitcoinやHypercertsなどの公共財への資金助成プロジェクトと違うの点として、ORU のシーケンサーの利益を財源として、資金分配しています。
つまり、Public Chainの利益を公共財に対して分配しているのです。
いわゆる、サービスの利用から徴税し、公共財に対して分配する構造をOptimismは模索しており、この記事で紹介した他のサービスよりも、持続可能な形に近づいているのではないかと思います。
多くの人は気づいていないが、RetroPGFのEndgameは、結果として税金の置き換えとアップグレードである。 人々が税金を嫌うのは、公共財に貢献する価値がないと考えるからではない、 税金を嫌うのは、税収の使い道がいつも間違っているからだ。 このためには貢献の証明に向かう必要がある。
他にもこのツイートのスレッドでは、Impact Certificate、Impact Evaluationをはじめとした、貢献の定量化に関する議論がされています。
他にも、ある財を販売する際に一部の手数料を取り、その収益を公共財ファンディング等に当てることが可能だ。Partial Common Ownershipは、財そのものに徴税能力を持たせることができると期待されているメカニズムだ。
具体的には以下の通り、
ある都市が、ファーマーズマーケットに出店できるスペースが100店分あると仮定します。しかし、そのマーケットで商品を売りたいと考える地元の食品業者が300店いたとします。この場合、どのようにして出店できる事業者を選べばいいのでしょうか?
Partial Common Ownershipを使った場合、出店スペースはオークションで100店の高額入札者に割り当てられます。そしてライセンス保有者は、”ライセンスを保有し続けるための”年間手数料を支払います。この手数料の額は、自己査定・評価額に対するn%です。そしてここからがPartial Common Ownershipのマジックなのですが、ライセンス保持者の自己査定額よりも高い金額を他の事業者が支払うとした場合、元々の保有者はその額で譲渡しなければなりません。
一見すると普通のオークションだが、自己査定をすることによって、「財を最も活用できる人」によって分配されることになる。その自己査定額のn%が”税金”として、共同のトレジャリーに入ることになる。
RadicalxChangeのPodcast: Partial Common Ownership/Plural Property: In Conversation with Will Holley, Graven Prest, Kevin Seagravesで、この**「徴税した財源をQFや、UBI(ユニバーサルベーシックインカム)の原資にする」**などのテーマについても話していました。この会はかなり長いですが、所有の概念やローンのあり方、資本の種類などについても触れています。興味がある方はこの収録を聞いてみることを強くお勧めします。
このメカニズムは、土地やアート作品など、数に限りがあり(競合性があり)、それが属するネットワークからも価値を得ている財に対して特に適用できると考えられる。
余談: この仕組みはPartial Commons Ownership(PCO)の他、「Plural Proparty」「SALSA(Self-Assessed Licenses Sold via Auction)」「Harberger Taxes」など、いろいろな名前で呼ばれることがありますが、これらは全て同じ仕組みを指しています。
Mashbeanが紹介していたものに、Contract Secured Revenueという名前で、契約によって確保された収入配分によって手数料を分配するモデルがあるらしい。
さらに、新興のパブリックチェーンCantoは最近、CSR(Contract Secured Revenue)の概念を導入し、EIP-6969(Ethereum Improvement Proposal No.6969)となった。CSRは企業の社会的責任を指すのではなく、契約によって確保された収入配分によって手数料を分配するモデルである。つまり、デジタル公共財を提供する開発者は、通行料を徴収できる証明書を受け取る。もちろん、開発者はこの証明書を販売し、事前に利益を得ることもできる。この解決策は、冒頭で述べた2つの派閥間の妥協を実現する。バリデーターと開発者はインフラサービスを提供することで報酬を受け取ることができ、バリデーターはパブリックチェーンのセキュリティを確保し、開発者はその価値を高めることができる。
https://canto.mirror.xyz/QjMcVxG65ScvuK0uMQ9W7I0gyo77jrEUIKibxWz0ebI
これまではEthereumエコシステムに関連するものを取り上げたが、他のWeb2としてのOSSのツールも紹介しておく。
Stargaze: コードマージなどを定量的に評価し、それに基づいてSuperFluidで資金分配をスマートコントラクトで自動化する。
Open Fare: 小さいけど重要なソフトウェア(依存関係を持つようなもの)に対して、マイクロペイメントの仕組みを提供する。OpenFareを使うことで、「支払い方法(支払額・決済手段)」をコードによって定義できる
Tea: OSSのパッケージマネージャー。Homebrewの作者Max Howellによって創業され、オンチェーンnpmにより収益分配の強制をスマートコントラクトで行う。
徴税して→分配という流れでいうと、どこかのコミュニティの財をPCOで売り、その利益をQFを使って公共財に分配という仕組みは出来るんじゃないかと思っている。
Web3だけ、ソフトウェアの世界だけではなくて、もっと幅広く公共財プロジェクトが評価される世界線を作っていきたい。
本文で取り上げたVitalikによる混雑するものに課税し、公共財に補助金を出すという文脈の中で挙げられた”MEVから得られる利益を公共財に助成する”という取り組みが進められているようです。