低炭水化物食の効果:植物性栄養素の重要性が浮き彫りに

低炭水化物食は死亡にどんな影響を与えたのか―こんな研究結果が2023年7月に発表されました。

最近、炭水化物の摂取量への関心が高まっています。ここ数十年の間、低炭水化物食(LCD)すなわち、炭水化物が少なく、タンパク質・脂質が多い食事について、いくつかの研究が行われてきました。

減量や糖尿病に有効であるとの報告もある一方、まだ多くの疑問が残されたままです。

特に、炭水化物の代わりに摂取するタンパク質・脂質の種類や量が、健康上どのような影響を与えるのか、まだよくわかっていませんでした。

42万人のデータからわかったこと

2023年7月、低炭水化物食(LCD)は総死亡・心血管疾患死亡・がん死亡を減らすのかを検証した前向きコホート研究のメタ分析(Ghorbani, 2023)が発表されましたので、ご紹介します。

基準に合致した10研究(対象421,022人)が組み入れられ、結果を統合しています。

研究の結果、以下の結論が得られました。

Table by Ghorbani, 結果より作図
Table by Ghorbani, 結果より作図
  • 高炭水化物食に比べて、低炭水化物食全般では総死亡・心血管死亡はほぼ同等

  • 低炭水化物食で植物性栄養素へ代替されたグループでは、総死亡が少ない

  • 低炭水化物食全般および動物性栄養素へ代替されたグループでは、がん死亡が多い

この結果から、低炭水化物食は死亡にはさほど影響しないと考えられるものの、代替するなら植物性栄養素を選択するほうがよさそうだ、ということが示唆されます。

炭水化物の摂取量だけではなく、代替栄養素の種類にも配慮したほうがよい、ということになるでしょう。

介入研究ではないため、まだ十分な根拠があるとは言えず、さらなる研究の蓄積が必要な分野です。

まとめ

低炭水化物食(LCD)では総死亡・心血管疾患死亡の予防効果はなく、がん死亡はむしろ多くなる傾向がみられました。低炭水化物食のうち植物性栄養素へ代替されたグループでは総死亡が少なくなっており、ここはまだ介入研究などの余地があるかもしれません。

参考文献

Ghorbani Z, Kazemi A, Shoaibinobarian N, Taylor K, Noormohammadi M. Overall, plant-based, or animal-based low carbohydrate diets and all-cause and cause-specific mortality: A systematic review and dose-response meta-analysis of prospective cohort studies. Ageing Res Rev. 2023 Sep;90:101997. doi: 10.1016/j.arr.2023.101997. Epub 2023 Jul 5. PMID: 37419282.

※情報提供いただいたGhorbaniさんのご協力に感謝したします。

※情報収集・文章作成・画像生成にAIを活用しています。

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