サルコペニア、死亡リスク57%高まる

筋肉量が少ない人は死亡リスクが57%高まる―こんな結果が最近の研究結果からわかってきました。

サルコペニアとは?

サルコペニアとは、骨格筋の筋肉量や筋力が低下し、身体機能が低下すること。筋肉量や筋力の低下は年齢に伴って自然に起こるものですが、高齢者に多くみられます。また、運動不足や栄養不足が原因となることもあります。

このサルコペニアが健康に大きく影響しているのではないか、と最近注目されるようになってきました。

しかし、一般の人々について、サルコペニアが死亡リスクにまでつながるのか、はっきりとわかっていませんでした。

8万人のデータから

2023年6月、骨格筋量指数(SMI)が低いと総死亡リスクが高まるのかを検証した系統的レビュー・メタ分析(Wang, 2023)が発表されました。

一般集団における骨格筋量指数と死亡率との関連を評価した前向きコホート研究を対象に検索され、16件の研究が採択されました。

平均年齢43.9~93.5歳の合計81,358人を3~14.4年追跡されています。

SMIが低い人は正常の人に比べて、総死亡(すべての死因による死亡)の相対危険は 1.57(95%信頼区間 1.25, 1.96)と57%多かったのです。

Figure by Wang Y, used under CC BY 4.0  https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
Figure by Wang Y, used under CC BY 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/

研究間の結果のばらつきは体格指数(BMI)による影響と考えられ、サブグループ解析されています。

SMIが低い人の総死亡の相対危険をBMIのサブグループごとに分けて分析した結果は以下のとおり。

  • BMI 18.5~25 相対危険 1.34(95%信頼区間 1.24, 1.45)

  • BMI 25~30 相対危険 1.91(95%信頼区間 1.16, 3.15)

  • BMI 30以上 相対危険 2.58(95%信頼区間 1.20, 5.54)

BMIが高い人のほうが、低SMIの死亡リスクが高くなっていました。

まとめ

骨格筋量が少ない人は総死亡リスクが57%高くなっていることがわかりました。さらに、体格指数の高い人のほうがそのリスクが高まる傾向がみられました。

ただし、この結果はあくまでも骨格筋量が少ない人のリスクを確認したまでです。ではそれに対してどうすればいいですか?という予防・治療方法とその効果については、別途研究が必要であることにご注意ください。

参考文献

Wang Y, Luo D, Liu J, Song Y, Jiang B, Jiang H. Low skeletal muscle mass index and all-cause mortality risk in adults: A systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies. PLoS One. 2023 Jun 7;18(6):e0286745. doi: 10.1371/journal.pone.0286745. PMID: 37285331; PMCID: PMC10246806.

※情報収集・文章作成・画像生成にAIを活用しています。

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