2024年2月に発表されたネットワークメタ分析によると、認知症患者の抑うつ症状に対して、積極的な音楽療法と歌による介入が効果的であることが示されました。
参加者: 抑うつ症状のある認知症患者(14研究に参加した1,080名)
介入: 積極的な音楽療法、音楽を聴く、リズミック音楽療法、歌う、個別化音楽介入
比較: 標準治療や音楽を含まない介入
アウトカム: 抑うつ症状の改善
研究デザイン: ランダム化比較試験のネットワークメタ分析
結果:
積極的な音楽療法と歌の組み合わせ(AMT+Sing)が標準平均差(SMD) -0.89(95%信頼区間 -1.48, -0.30)と最も効果的でした。
音楽を聴くだけ(LtM)では SMD -0.26(95%信頼区間 -0.71, 0.20)と効果が小さくなっていました。
略語 RCT: Randomized Controlled Trial; N: Number; MT: Music Therapy; MM: Music Movement; SA: Social Activity; GMT: Group Music Therapy; RCS: Recreational Choral Singing; RMT: Rhythmic Music Therapy; AMT: Active Music Therapy; LtM: Listening to Music; TMI: Tailored Music Intervention; SPK: Speaker; NPI: Neuropsychiatric Inventory; GDS: Geriatric Depression Scale; CSDD: Cornell Scale for Depression in Dementia; MADRS: Montgomery–Åsberg Depression Rating Scale; BDI: Beck Depression Inventory.
音楽は認知症における抑うつ症状の改善に、いくつもの利点があるとされています。音楽活動は身体活動を促進し、生理的および心理的健康を改善する一方、認知症患者とその家族・介護者とのコミュニケーションと関係を改善し、介護者の負担を軽減します。
しかし、どの音楽活動やジャンルが最も効果的かを特定する研究は不足しているとされています。
そこで、本研究の主な仮説は、様々な音楽療法介入が認知症に伴う抑うつ症状をどの程度改善するのか、さらに具体的にどの介入が最も効果的なのか、を明らかにすることを目的として、ネットワークメタ分析が行われています。
認知症患者の抑うつ症状の改善は、標準化平均差(Standardized Mean Difference, SMD)を用いて評価されています。この指標は、異なる研究間で抑うつ症状の変化を量的に比較可能にするために使用されています。
抑うつ症状の測定には、以下のような評価尺度が採用されていました:
Geriatric Depression Scale (GDS)
Cornell Scale for Depression in Dementia (CSDD)
Montgomery-Åsberg Depression Rating Scale (MADRS)
Beck Depression Inventory (BDI)
Neuropsychiatric Inventory (NPI)
これらの尺度により、認知症患者の抑うつ症状の重症度や改善が定量的に評価され、各音楽療法介入の効果が比較されています。
認知症患者の抑うつ症状に対して、積極的な音楽療法と歌の組み合わせが効果的でした。
音楽を聴くだけでは効果が小さいことがわかりました。
Ting B, Chen DT, Hsu WT, Tsai CL, Malau IA, Lee SL, Jingling L. Multifaceted Music Therapy for Depression in Dementia: A Network Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Eur J Investig Health Psychol Educ. 2024 Feb 11;14(2):351-367. doi: 10.3390/ejihpe14020024. PMID: 38391491; PMCID: PMC10887713.
※情報収集・要約作成に生成AI(ChatGPT4, DeepL)を活用しています。