オンライン診療でもかかりつけの家庭医のほうがいい

2023年12月、かかりつけではない家庭医とオンライン診療を受けた患者は、かかりつけの家庭医とオンライン診療を受けた患者に比べて、救急外来の受診が多かったというコホート研究が発表されました。

522万人のデータ

参加者: カナダ・オンタリオ州に住む家庭医を持つ5,229,240人の住民

介入: かかりつけ以外の家庭医とのオンライン診療

比較: かかりつけの家庭医とのオンライン診療

アウトカム: オンライン診療後7日以内の救急外来受診

研究デザイン: 傾向スコアマッチングを用いたコホート研究

結果:

  • かかりつけ以外の医師とのオンライン診療を受けた患者は、かかりつけの家庭医とのオンライン診療を受けた患者に比べて、7日以内の救急外来の受診が66%多かった。(3.3% 対 2.0%、リスク差1.3%[95%信頼区間 1.2, 1.3]、相対危険 1.66[95%信頼区間 1.63, 1.69])

かかりつけ家庭医の意義

継続性は良質なプライマリケアの基盤であり、高い関係継続性が良好な健康アウトカムと低コストと関連しているとされています。

日常受診して健康状態を把握していることで、このくらいのメリットが出るでしょうね。これがかかりつけ家庭医を持つことの意義です。

D2Cオンライン診療との比較

この研究では別の定義を用いて、消費者直接取引による遠隔診療クリニックとかかりつけ家庭医によるオンライン診療とを比較しています。

遠隔診療クリニックによるオンライン診療を受けた患者は、かかりつけ家庭医によるオンライン診療患者に比べて、7日以内の救急外来の受診が約3倍多い(6.2% 対 2.1%、リスク差 4.1%[95%信頼区間 3.8, 4.5]、相対危険 2.99[95%信頼区間 2.74, 3.27])という結果となっています。

消費者直接取引によるオンライン診療とは、患者がかかりつけの家庭医や普段受診する医療機関を介さずに、インターネットやモバイルアプリを通じて医師や他の医療専門家に直接アクセスする医療サービスの形態です。

手軽で便利という反面、情報が十分揃っていないことのデメリットは案外大きいものです。

参考文献

Lapointe-Shaw L, Salahub C, Austin PC, Bai L, Bhatia RS, Bird C, Glazier RH, Hedden L, Ivers NM, Martin D, Shuldiner J, Spithoff S, Tadrous M, Kiran T. Virtual Visits With Own Family Physician vs Outside Family Physician and Emergency Department Use. JAMA Netw Open. 2023 Dec 1;6(12):e2349452. doi: 10.1001/jamanetworkopen.2023.49452. PMID: 38150254.

※情報収集・要約作成・画像生成にAIを活用しています。

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