2023年2月1日衆議院予算委員会にて、自民党Web3PT座長の平将明議員が、Web3に関して政府へ質問し総理が答弁された内容を書き起こしました。

2023年2月1日衆議院予算委員会にて、自民党Web3PT座長の平将明議員が、Web3に関して政府へ質問されました。平議員の質問に対して、政府を代表して岸田総理が回答していることは大変貴重な内容なので、文字起こしをさせていただきました。今後の日本のブロックチェーン・Web3産業にも大きな後押しになったと思っております。

録画は平先生のYoutubeチャンネルにアップされております。Web3に関しての質疑は、最初〜10分57秒までになっております。ぜひ映像も、多くの方にご拝聴いただきたいと思っております。 https://www.youtube.com/watch?v=okslrifMl4M

(平議員)
まずはWeb3に関して、なぜ我々がWeb3PT中心にWeb3,Web3と言っているのかについて、お話をさせていただきたいと思います。そもそも自民党でWeb3というと、1と2はどこ行ったんだと言われますので、ちょっと簡単に説明をします。Web1.0というのは、要はインターネットの世界でメールでやりとりができたり、Webサイトから世界中の情報が取れるようになりました。しかも、通信量はほぼほぼ掛からない形で。これをWeb1.0だとすると、Web2.0はGAFAでプラットフォーマーの世界です。これは個人が世界に発信できるようになりましたので、ある日タレントを見出されて世界的なスターになったりとか、地方の個人経営のレンストランとか、観光名所が世界的に有名になったりとかして世界からお客さんが殺到するということもありました。プラットフォーマーに情報が集中したりして、富の偏在になったり、あとはSNSを通じて過激な意見が両論盛り上がって社会の分断につながったりしている。GAFAと言われているところは、株価が高いんですが、ほぼほぼそこに付加価値が集中するのがWeb2.0の世界であります。 そこで出てきたのがWeb3ということで、自律分散型ということで、イメージで言うとベースはブロックチェーンです。ブロックチェーンの上に暗号資産が載っかっていたり、その上にですね、NFT・ノンファンジブルトークンが載っかっていたりする。さらにはメタバースという、初日総理の答弁でもありますが、メタバースもトークン、ファンジルトークンやノンファンジブルトークンが組み込まれた、トークンエコノミーが取り込まれているとWeb3になります。その組織全体を動かすのがDAO。これ、ワード説明していると時間が終わっちゃうので、わからなかったら後でGoogleで調べていただきたいと思います。そういう世界観です。

(平議員)
なぜWeb3を日本がやるべきなのか。ぜひ資料をみていただきたいんですが。伊藤穰一さんが作っているグラフが一番わかりやすいと思います。これはですね、バリューがどっから生まれるのか、というレイヤーの構造になってます。Web2.0とWeb3となってますが、さっき言ったWeb2.0というのは、この真ん中のアプリケーションレイヤーが厚いんですね。要はここはGAFAです。ここがみんな、価値をもっていっちゃう。プロトコルレイヤーが薄いのは、TCP/IPなどでプロトコルのところはあまり儲んない。アプリケーションが儲かる。上に載っかっているコンテンツは、動画サイトでもなんでもそうですけど、個人が出してますが実際収益はGAFAなどが持っていっちゃう。これがWeb2.0の構造です。 Web3の構造は、プロトコルレイヤーが分厚いんですね。ここはブロックチェーンです。ですから、ここはビットコインが発行されていたりイーサリアムが発行されていたりしているので、分散型のブロックチェーンで動いていて、トークン発行しますからマネタイズしやすんで、分厚いんです。一方でアプリケーション層は薄いですね。OpenSeaとかの手数料とAppleストアの手数料を比べてみれば、10分の1くらいになります。ここで注目してほしいのは、一番上のコンテンツ・IPレイヤーが分厚いんです。NFTなどコンテンツなどを使ってマネタイズしやすい。で、日本はこのコンテンツ・IPレイヤーがめちゃくちゃ強いんですよ。漫画、アニメ、ポップカルチャーとか、食とか、あと地方の観光の体験とか。私も地方創生の副大臣を石破大臣の元でやっておりましたが、ずーっと持っている問題意識は、日本の持っているそういうコンテンツとか地方の価値、観光の価値が安すぎる、国際価格からみて。だからこの価値をいわゆるグローバル化する、価値を最大化することによって、日本のポテンシャルを最大化することができる。なので、Web3といっているわけであります。

こういうことを考えて、やっぱりWeb3をどんどん活用することが日本の勝ち筋でありますから、環境を整えていくことが大事であります。ですから、年末にも税調でいろんな対応をしていただきました。まだ足りないところがありますので、引き続きやっていくということです。ですが、世界はですね、暗号資産の暴落、要は世界中がインフレになって中央銀行は金融政策を引き締めてますから、金余りの時代は終わったと。ですから、短期でお金儲けしようとして暗号通貨に突っ込んでいた人はみんな引きました。さらにはアメリカで、スキャンダルがあってですね、今はクリプトウィンターと呼ばれていて、盛り下がっているんです。で、私自身は、さらに言うと自民党のWeb3PTは暗号資産が上がった下がった、売った買った、儲かった損したには興味がないです。基本的にブロックチェーンが生み出すこの機能に着目しています。

で、実際日本はどうみられているかというと、アメリカでは取引所の問題があっていろんなことが指摘されてますが、日本の取引所は世界一安全なんですね。MtGox事件とかコインチェック事件を経て、金融庁がしっかりと管理体制を作りました。さらに言うとステーブルコインという法定通貨とペッグをした通貨、これも法律を作りましたので、今世界で一番進んでいます。暗号資産というと波が激しい、ボラティリティが激しいんですが、法定通貨とペッグをしたステーブルコインが出てくると、カチッとしたDAOの組織ができるようになります。ただ今取り組んでいるステーブルコインは世界中で使えるステーブルコインになると思います。

(平議員)
さらにはWeb3全体の組織をDAOといいますけども、非中央主権型自律分散組織といいますけども、このDAOをちゃんと使えるように我々PTでですね、f議員立法で法制化しようと思っております。結果、一周回って、世界の先頭に今日本がなるチャンスにあります。さらに言うと、このWeb3のコンテンツ・IPレイヤーが強いってことは、地方創生にWeb3が活用できるってことですし、クールジャパン政策にWeb3が活用できるってことです。で、さらに言うと地方創生では、ふるさと納税という政策ツールがあるので、ふるさと納税とNFTを組み合わせて、人を呼び込むとか、地域の価値を最大化するとか、グローバルのところで転売してもクリエイターとかサービスの提供者にちゃんとフィーが入ってくる仕組み、中間の転売ヤーが儲かる仕組みじゃなくて、真面目にやっている人にちゃんと還元する仕組みができます。こういうことを考えると日本が持っているさまざまな課題を解決するのにこういうブロックチェーンの技術、Web3を使った技術が有効だと思っております。ぜひですね、このようにWeb3を活用して日本の課題を解決していただきたいと思いますが、総理いかがでしょうか。

(根本予算委員会委員長)
内閣総理大臣 岸田文雄君。

(岸田総理)
今委員のほうからWeb3ついて、さまざま説明がありました。こうしたWeb3という技術を使って、さまざまな可能性が期待されるということで、例えばDAOということを考えましても、同じ社会課題の関心を持つ人々が新しいコミュニティを組成する、そういったことができるのではないかとか。それからNFTについてもお話がありましたが、クリエイターの収益を多元化するとか、あるいはロイヤリティの高いファンの維持・取り組みが可能であるとか。さまざま期待があります。これをおっしゃるように、クールジャパンですとか、それから地方創生に活用する。クールジャパンや地方創生に向けて、強力なツールにする可能性が誠に大きいということなんだと思います。

デジタル庁におきましても、Web3研究会という研究会で議論を行って、既に昨年報告書をまとめておりますが、その中で、この新しい技術であるがために既存の制度との適合性への懸念などから、自治体や事業者が、技術軽用を躊躇する場合が想定されることから、相談窓口設置の必要性が指摘されている。こうした内容が、指摘をされています。まずはこうした相談窓口の設置を行うことによって、技術活用に向けた課題の集約、これを進めることが大事だとされています。おっしゃるように自民党においても、こうした議論を進めていかれるということですので、党においての議論も踏まえつつ、政府としてこの分野をクールジャパンや地方創生に活かしていくために、どのような支援をしていくべきなのか。こうしたことを考えていかなければならないと認識しております。

(根本予算委員会委員長)
平将明君。

(平議員)
ぜひですね、国家戦略としてWeb3を取り組んでいただきたいと思ってます。新しい技術が出てくるとレギュレーションのデザインを迅速にしないといけないということと、税制のデザインをしっかりしなくてはいけない。ぜひ一緒にがんばっていきたいと思います。総理の方もよろしくお願いしたいと思っております。


2023年2月1日
樋田 桂一

最後にに断っておきます。このBlog記事は、現在私樋田が所属する団体および組織とは無関係であります。私個人としての文書であります。

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