金融庁の人事と組織改編から見えてくる日本のWeb3政策の行方

久しぶりにBlogを書いております。記事は書こう書こうと頭の片隅で考えていても書けるものではないですね。とても実感しております。さて、先月6月はほぼ丸々アメリカへ出張してきました。テキサス州オースティンで開催されたCoindesk主催のConsensus2022へ参加し、ニューヨークで開催されたNFTNYCへ参加してきました。アメリカ出張中、クリプトの価格は大きく下落していました。2018年以前であれば、価格が下落しているとこのようなカンファレンスなどイベントへの動員や熱は落ちるものでした。しかしそれにも関わらず、両カンファレンスはとても熱気があり、そんなクリプトの下落など物ともしない勢いがあったことが印象的でした。

さて、日本では7月は中央官庁での人事の時期になっております。我々クリプト・ブロックチェン界隈にも大きく関わる金融庁の人事及び組織改編が見られました。昨日最新の幹部名簿が発表されました。

ニッキンさんでも記事になっておりました。

2022年7月7日付けの最新の金融庁の幹部名簿は下記URLから。

7月7日付の金融庁幹部名簿
7月7日付の金融庁幹部名簿

金融庁の部署および役職のファンクションについて理解されている方は少ないかと思いますので解説してみます。クリプト界隈に係る主な部署をご紹介します。

まず暗号資産及びブロックチェーン関連については、金融庁内では銀行・証券のようなメインではないので、その他のカテゴリになることの理解から始まります。ニッキンさんの記事にありましたが、今回「フィンテック参事官室」が新設されたことで、その他金融のインターフェイスになっていた「金融会社室」が無くなりました。2014年に始めた金融庁を訪問した時、金融会社室室長にお会いしたことから官庁へのロビー活動が始まりました。そこが大きく今年7月の人事とともに改編されたということです。

それに伴い、以前無かった「暗号資産モニタリング室」が新設されており、暗号資産の窓口になったと思われます。またステーブルコイン法案成立に伴い「電子決済等代行業室」も新設。1つ上のまとめ役として「フィンテック参事官室」も新設されており、ここがブロックチェーンを含めた部署になるかと思われます。

一番左が高梨さん、Consensus2022にて
一番左が高梨さん、Consensus2022にて

もう1つ注目は先月オースティンで開催されたConsensus2022に唯一日本人として登壇された金融庁の高梨さんが、今回フィンテック参事官室のチーフ・フィンテック・オフィサーに就任された事です。界隈への深い理解があるので、今後のWeb3発展には大きな期待が持てます。本当にこの件は、界隈にとってもめでたいことです!(写真左)

暗号資産に係る法律、内閣府令、ガイドラインの策定は、「信用制度参事官室」が変わらずあるので担われることかと思います。今回の人事で、財務省から出向されていた端本氏に代わり安富稔晃氏が就任。ブロックチェーン関連は「デジタル・分散型金融企画室長」が担い、以前と変わらず玉川英資氏が続投されております。

クリプト・ブロックチェーン界隈に係る人事及び組織改編について見てきました。総合的にみて、今後Web3で様々な政治からのオーダーへ機動的に対応するため、長年界隈で活躍されてきたエース級の官僚(牛田さん、高梨さん)をしっかり担当の長として担わせていることをみると心強く思いました。今後も金融庁の動きに注目です。

2022年7月8日
樋田 桂一

最後にに断っておきます。このBlog記事は、現在私樋田が所属する団体および組織とは無関係であります。私個人としての文書であります。

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