GearboxProtocolの簡単な解説
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October 11th, 2022

1. はじめに

Gearboxはレバレッジプロトコルである。

誰でもDeFiネイティブな方法でレバレッジをかけることができ、様々なDeFiプロトコルで使用することができる。例として、Uniswapでのレバレッジ取引、YearnやCurve and Convexでのレバレッジファーム、オプションやデリバティブを含む複雑なデルタニュートラル戦略、複雑なポジションを行うストラクチャープロダクトのためのLeverage-as-a-Serviceなどが挙げられる。[1]

2. しくみ

GearboxProtocolの概要[2]
GearboxProtocolの概要[2]

2.1 クレジットマネージャー(Credit Manager)[2]

クレジットマネージャーは、クレジットアカウントを管理するための中核となるコントラクトである。V2においては、クレジットマネージャー自体は低レベルのバックドコントラクトとして設計されている。一つのプールはいくつかのクレジットマネージャーと接続できるが、CreditManagerは一つのプールとしか接続できない。プールからの借入を禁止することも可能だが、各クレジットマネージャーは借入金を返済することができる。

クレジットマネージャーの役割[2]
クレジットマネージャーの役割[2]

2.2 クレジットアカウント(CA)

GearboxProtocolはAAVEのような過剰担保型のレンディングプロトコルと違い、大きなレバレッジをかけることができる。これを可能にしているのが、クレジットアカウントである。

クレジットアカウントは、ユーザーの資金と借りた資金の両方を含む独立したスマートコントラクトである。アカウントを開設すると、すべての操作はこのアカウントを経由することになり、資産もこのアカウントに留まる。クレジットアカウントは自動化されたDeFiウォレットであり、ポジションを保持するだけでなく、プログラム可能性を備える。クレジットアカウントの資金は負債の担保として使用され、ユーザーはクレジットアカウントに注文を送ることでこれらの資金を操作することができる。[2]

このように、プールから借りた資金はクレジットアカウント内で扱われる。ユーザーはクレジットアカウントをOpenする際に使用したアカウントを用いてクレジットアカウントを操作するため、「レバレッジがかけられるDeFiウォレット」のようなサービスを提供する。戦略を終了したい場合は、クレジットアカウントをCloseして損益を確定することができる。

クレジットアカウントに入金することができる資金には上限があり、DAOによって管理される。また、利用可能なDeFiコントラクトやトークンはホワイトリストによって厳格に管理される。

クレジットアカウントの機能[3]
クレジットアカウントの機能[3]

2.3 プール(Pools)[4]

レバレッジをかける際にクレジットアカウントが借りる資金は、流動性プールに存在する。この流動性プールには誰もが資金を預けることができ、利息を得ることができる。

2.4 清算

ヘルスファクターが1を下回ると、清算人は当該アカウントを清算することができる。この際、Credit Facade関数が用いられる。また、有効期限が切れたアカウントも清算対象となる。[5]

また、価格オラクルとして、Chainlinkなどのオラクルが用いられる。[6]

2.5 Multicall[7]

MulticallはGearbox V2の新機能である。ユーザーは一つのトランザクションでAdapterやCredit Facadeの呼び出しを一括に実行できる。Multicallを使用すると、ガス効率はよくなり、複雑な戦略を一つのトランザクションで実行でき、さらに清算の処理にかかるコストを低減できるといった、多くの利点がある。

3. 実現可能なAPY

V2ローンチによって、以下のツイートのようなAPYが実現できるとされている。

4. DAO[8]

投票は譲渡不可能なガバナンストークンを通して、Snapshotで行われる。DAOはプール、アセット、マルチシグの署名者、その他様々なことを決めることができる。

また、一部のウォレットに権利が集中しすぎないよう、トークンの量に対する投票力の倍率が決まっていたり、会社のウォレットからは投票できないといった制限が課せられている。

参考文献

[1] https://dev.gearbox.fi/docs/documentation/intro (アクセス日:2022/10/12)

[2] https://dev.gearbox.fi/docs/documentation/credit/architecture (アクセス日:2022/10/12)

[3] https://dev.gearbox.fi/docs/documentation/credit/intro (アクセス日:2022/10/12)

[4] https://dev.gearbox.fi/docs/documentation/pools/intro (アクセス日:2022/10/12)

[5] https://dev.gearbox.fi/docs/documentation/credit/liquidation (アクセス日:2022/10/12)

[6] https://dev.gearbox.fi/docs/documentation/oracle/priceoracle (アクセス日:2022/10/12)

[7] https://dev.gearbox.fi/docs/documentation/credit/multicall (アクセス日:2022/10/12)

[8] https://medium.com/gearbox-protocol/gear-token-not-yet-live-and-governance-reverse-voting-escrow-75f367985397 (アクセス日:2022/10/12)

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