こんにちは。VESS FounderのKantaroです。
Ceramic Networkは分散型データネットワークプロトコルと呼ばれるプロトコルで、CyberConnectやOrbis.clubといったプロダクトの基盤を支えるプロトコルです。
2022年7月と少し前ですが、彼らのビジョンについてのblogがとても面白かったため、Ceramic Networkのコミュニティリードの方に許可をいただき、翻訳したいと思います。(読みやすさを考慮し一部意訳を含みます。長編ですがぜひお楽しみください!原文はこちら)
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- 世界中の誰もが、コンポーザブルなネットワークデータレイヤー上でアプリケーションを構築している未来 -
メタバースとは、Web3と融合しつつあるデジタルの未来像で、現在多くの宣伝がなされています。この記事では、Facebook(おっと、Meta)やNFT界隈の人々によるメタバースへの主張の試みは横に置いておくことにしましょう。メタバースとは、サイバースペースに存在するすべてのコンポーザブルで相互運用可能なリソース、アイデンティティ、アプリケーション、プラットフォーム、サービス、プロトコルの全体であると私たちは考えています。
私たちの考えるメタバースは、データバース(DataVerse)の上で実行されます。これは、誰もが所有できると同時に誰も所有できない、コンポーザブルなWebスケールのデータエコシステムです。開発者は、データバースとそこに存在するデータ間での直接対話が可能で交換可能なインターフェースとオンライン体験を構築することになります。データバースは、メタバースの中で最も重要な役割を担います。それは、あらゆるアプリケーションによって作成・活用される全てのデータの、高性能で常に利用可能な共有グラフです。
Web上のほとんどの機能は、金銭的価値の取引ではなく、単なるデータです。例えばDeFiverseとは、相互運用可能な金融プロトコル、資産、アプリケーションの宇宙(Universe)を指します。しかし、あなたが日常的に使っているアプリケーションについて考えてみてください。(アプリケーション内で)「購入」ボタンや「送金」ボタンに比べて、「送信」ボタンや「いいね!」ボタンをクリックする回数の方が多いですよね? データバースではあなたのデータはアプリからアプリへとあなたを追いかけます。あなた自身があなたのデータをコントロール下におき、デジタル宇宙の中心に存在しているのです。
今後5年間で、私たちは開発者市場の大爆発と主流な開発スタックへのパーミッションレスプロトコルの完全統合を経験するでしょう。そしてコンポーザブルな共有バックエンドインフラ上で動作し相互運用できる、膨大なネットワーク化されたアプリケーションを生み出すことでしょう。
私たちはこれからあなたをデータバースのツアーにご案内します。今日の Web2 アプリのサイロ化されたデータ、もしくはWeb3 アプリのデータ砂漠から、世界中の誰もがアプリケーションを構築し、ネットワーク化されたコンポーザブルな同一データレイヤー上でそれを実行する未来へとナビゲートするツアーです。
相互運用可能なメタバースへの道筋は、開発者の能力を高めることにかかっています。今後5年間は、アプリケーション開発の黄金時代となるでしょう。
アプリケーション開発は非常に身近なものになり、今から5年後には、場所や技術力、教育レベルに関係なく、世界中の誰もがインターネット上でアプリケーションを構築し、起動することが可能になります。基本的に誰もが "開発者 "になれるようになるのです。例えば、技術力のないジャーナリズムの学生でも、数時間でフル機能のクラウドソーシング型情報フォーラムを立ち上げることができるようになるでしょう。
Everything-as-a-Service のトレンドは、バックエンドのアプリケーション開発ロジックの大部分または全てを抽象化し、フロントエンドの開発者がインフラ不要のアプリケーションを立ち上げられるようにすることでしょう。このようなインフラは、分散型ネットワークやマネージドサービスプロバイダーによって提供される可能性があります。
この頃には、分散型パーミッションレス・ネットワークはミッドテール、ロングテールのアプリケーション開発者に広く採用され、一部の先進的な Web2 企業もこの楽しさに加わっていることでしょう。これらのプラットフォーム上にアプリケーションを構築するの主な利点は、ゼロインフラ・デプロイメントを提供することに加えて、メタバース内での連携と相互運用性を実現可能にすることです。これは、中央集権的プラットフォームのリスク(例:TwitterのAPI停止、Facebookのゲーム開発者のプラットフォームからの締め出し)の排除、新規ユーザーの獲得、コンテンツのブートストラップ、ネットワーク効果の構築、楽しいユーザー体験の実現といった、従来のアプリケーション開発で直面する課題を解決してくれます。
フロントエンド開発の最小化を推進する2つの主要なトレンドがあります。第一に、ローコード/ノーコードのソリューションによって、技術者でない人でも簡単にアプリを作れるようになっています。第二に、オープンなプラットフォーム上で構築されており、またユーザーが透明性の向上を望むという性質により、これまで以上に多くのコードが加速度的にオープンソース化されています。自前構築が不要のバックエンドと組み合わせることで、基本的にすべてのアプリケーションが、その全体を検査し、サンプルし、フォークし、クローンし、リミックスし、修正し、再展開できるようになることを意味します。アプリケーションの作成は、他の人のフロントエンドコードをコピー&ペーストしたり、一緒に動作するモジュール部品をキャンバスにドロップするような感覚で、とても簡単にできるようになります。
衛星を活用した3G+インターネット高速配信の展開により、世界中で接続性が向上し、これまでアクセスできなかった新世代の開発者達がオンラインに参加することができるようになります。これにより、サイバースペース上でより多くの人々がつながり、グローバルマーケットで何かを生み出すインセンティブがより強く働くようになるのです。ネット上には無料の教材があふれており、必要なのはほんの少しの好奇心と自発性だけです。
同じものを作るのに2つの方法があり、他の全ての要素が同じであれば、人々はよりアップサイドを期待できる方に取り組みたいと思うはずです。Web3は、あらゆる経歴の開発者に対して、簡単に参加できる環境と強力なインセンティブを提供します。大手のテックカンパニーは、人材獲得に苦戦するでしょう。なぜなら、自分で0から1を生み出す(あるいはWeb3のRocketshipに参加する)ことで、Amazonのような企業で働くよりも、はるかに大きな利益を得られる可能性があるからです。メタバースは、全体として、人材獲得競争に打ち勝つでしょう。
メタバースの組織原則はユーザーにあります 。開発者が、ユーザー中心のコンポーザビリティという観点からより優れているという理由で、アプリケーションをデータバース上に構築すると、偶然にもエンドユーザーにとって新しい世界の鍵が開かれます。ユーザーは自分のデジタル・アイデンティティをコントロールできるようになり、まるですべてのアプリケーションが自分専用に作られ、自分のデータが魔法のようにどこにでもあるかのようなWeb体験を得ることができます。
メタバースにおいて、個人は自分自身で選択することができます。公開鍵暗号の基礎に基づき、メタバースのユーザーは、シンプルかつ自己主権的な仮名キーペアとして、パーミッションレスな人生を歩み始めます。そしてそこから、ユーザーは自分がどうありたいかを自分で決めることができるようになります。他の誰かに自分のアイデンティティを管理させることもできますし、自らが自身の銀行となり、自己管理することもできます。自分の好きなように自分のデータを添付することができます。自分のデータに対して、誰がどのような条件で何ができるかを設定することもできます。このようなデジタル所有権と自己主体のレベルにより、メタバースは独立性を保ち、安全性を維持することができるのです。
そして自己主権はアカウントにとどまりません。ユーザーは、自分のデータを長期的に維持するために信頼できる独立したインフラも持つことになるので、決して他の誰かに頼る必要はないのです。
メタバース構築の主な魅力の1つが相互運用性であるならば、アプリケーションは当然、この相互運用性を可能にするために必要最低限のスタンダードを採用するインセンティブがあります。相互運用性を実現するための最も簡単で直感的な方法は、ユーザー中心のアーキテクチャを採用することです。このモデルでは、ユーザーは異なるアプリケーション間のデータ相互運用性の中核として機能し、ユーザーがどこに行こうとも、そのデータも同じように扱われます。
エンドユーザーにとって、相互運用性の体験は、まるでインターネットがそうであるかのような不思議な感覚をもたらします。パスワード、フォーム、認証、コンテンツの再投稿、プラットフォーム間での同一人物へのリフォローはもう必要ありません。
データバースは公共リソースとして、知識の爆発的な共有を可能にし、科学と人類の進歩を加速させます。インターネット1.0の当初のユースケースは、カリフォルニアとマサチューセッツの間で科学データベースを共有することでした。Web 3.0はそのアイデアをさらに加速させるものです。
これまで、セマンティックウェブやリンクデータの実装は、情報グラフに適していますが、実際には、Googleのような世界最大の企業や機関の内部システムの中でしか実戦配備されていませんでした。これらは構築するのが難しく、多くの優秀な頭脳を必要とします。
データバースは、セマンティックに定義され構造化されたデータのグラフへのシンプルかつオープンなアクセスを提供し、最先端の研究を取り入れ、誰もがそれを構築し、協力することを可能にします。科学界全体を一つの検証可能な統一データプラットフォームでつなぐことができればその進歩は計り知れませんが、それが最終的にどのようなものになるかについて、不必要な未来予測をする必要はありません。
データバースを支えるこのネットワークをプラットフォームと呼ぶことにします。
より多くの開発者がこのプラットフォームに参加し、プラットフォーム上に存在するデータが増えれば、開発者がアプリケーションを作るのはさらに簡単になります。スタートアップコストはゼロに近くまで下がります。これにより、多様な実装や実験が可能になり、弾力性が増し、ダーウィニズムが進むべき道を示してくれるようになります。開発者は、数週間かけてモノシリックアプリケーションをリリースする代わりに、スケーラブルなマイクロアプリケーションを数分でハックし、PMFに集中できるようになります。FacebookやGoogle以外のすべての企業が、FacebookやGoogleと競争するための新しいベクトルを提供するのです。この場合、バザールのペースと創意工夫は、伽藍を凌駕することでしょう。(訳註: 伽藍とバザール)
データバースとWebの未来を定義付けるいくつかのトレンドについて紹介します。
同じ価値観を持つイノベーターやアーリーアダプターの共同グループ(他のメタバース分野ですでに構築されているものもある)を含むWeb3開発者市場が、データバースを最初に採用することになるでしょう。現状ではWeb3アプリケーションはデータ砂漠であり、スマートコントラクトで構築できるデータ機能は限られているため、これは納得がいきます。
この現状は変化しつつあり、市場が混雑/成熟し、アプリケーションがイノベーションのための新しい展望を探すにつれて、加速度的に続くでしょう。データ機能の構築に対する市場の需要が高まり、アプリケーションが大規模なデータセット上で協力し始めると、データバースのネットワーク効果が急速に加速し、Web3アプリケーション市場はデータを利用した機能で溢れかえるでしょう。この市場以外でも、このエコシステムに気づき、参加せざるを得なくなるでしょう。
メタバースが巨大で強固な組織をも凌駕するための、完璧なカクテルが醸造されています。もう誰も、島国や大企業のためにアプリケーションを作りたいとは思わないでしょう。メタバース内のシンプルさ、創造性、イノベーションペース、開発スピード、オープンデータ、そしてインセンティブは、あまりにも強力になります。全く異なるインセンティブ構造でビジネスを構築してきた既存企業は、ピボットや競争において厳しさを感じることでしょう。
アイデンティティは、本質的に多人数参加型です。これは、人間同士の交流のための構造として始まった物理的な世界だけでなく、個人的なメモ帳アプリケーションよりもソーシャルメディアアプリケーションのプロフィールを持つことが重要であるデジタル世界にも当てはまります。アイデンティティは、取引に文脈、信頼、効率を提供するためのツールです。Ceramic は、本質的に多人数参加型なデータ・エコシステムを提供しメタバースにさらなる相互運用性を提供することで、マスアダプションするアイデンティティシステムを生み出すと期待されるプラットフォームなのです。
技術的というよりは持続可能性に関連する話になりますが、私たちは、「コミュニティが所有するプロトコルとそこに内在するインセンティブによって統合されたインターネット上の見知らぬ人たちが、効率的でインパクトのある仕事を効果的にオーガナイズし生み出すことができる」という事実に賭けているのです。
このトレンドはポジティブな兆候ですが、これらのコミュニティが長期的に維持できるかどうか、あるいは革新的であり続け、高いスピードを維持できるかどうかは、まだわからないところです。私たちは、効果的なデジタルコミュニティの設計と実装を注視していますが、コミュニティを長期的に成功に導くものは、まだ多く発見されていないとも考えています。
プロトコルやDAOへの貢献者として、単発の仕事を引き受けたり、長期的な契約を結んだりして、「インターネットのために働く」ことに全力を注いでいる人たちもいます。すでに、DAOの参加者が議会の前でロビー活動をしています。DAOは、ワイオミング州では法的に認められた現実世界の実在です。
デジタル・コミュニティは、OSINT(オープンソース・インテリジェンス)のために長い間活用されてきました。そこでは、非常に意欲的な見知らぬ人々のグループが、subredditsやFacebookグループなどのトピックベースのプラットフォームに集まり、一人(または政府機関)ではできないこと、例えばある捜査の解決などを行うのです。Wikipediaは見事に運営されています。これらにより、この流動的な仕事とインセンティブシステムが時間とともにどのように進化していくのかについて、私は楽観的です。
このようなコミュニティがキャズムを超え主流になりつつあるというポジティブな兆候もあり、より強靭な社会を形成しながら浸透しています。多くの有名人がTwitterのプロフィール画像としてBored Ape Yacht Clubを使用しており、Alexis OhanianとSerena WilliamsはMet GalaにCryptoPunksのピンをつけて出席しました。このようなデジタルファーストのコミュニティは、インフルエンサーやセレブリティがそのセンスを発揮し自分たちのTribeを代表することで、社会のあらゆる側面に波及していくことでしょう。
Web3(NFTとは対照的)がメインストリーム文化のどこに入り込むかを予測するには、エンゲージメントの高い多くのユーザー・ベース/コミュニティのネットワークがどこに存在するかや、そのコミュニティのメンバーであることがどのような意味を持つのか、そして人々がどのように支持を表明するかに注目すべきです。
マーケットはデータバースを待ちわびているかもしれませんが、必ずしもそれが有機的に現れるとは限りません。データバースのアプリケーションを構築するための最適な開発者用プラットフォームは、いくつかの重要な設計上の考慮事項が必要です。
データは非常に多様であり、開発者はアプリケーションやデータのユースケースを構築するための自由度と柔軟性を必要とします。硬直した標準は機能しませんし、断片化を招きます。データバースから生まれる多様なユースケースをサポートできるような、汎用性の高いプロトコルが必要です。これらのユースケースはすべてシームレスに相互作用することが重要で、最も簡単な方法は、同じプロトコルで構築させることです。ユーザーがどのウォレットでログインするか、フロントエンドでどのような機能を構築するか、どのような種類のデータを保存するかは問題ではなく、すべてうまくいくはずです。
この汎用データプロトコルは、日々あらゆるアプリケーションで非常に多くのデータイベントが発生するため、高速で分散化された大容量トランザクション処理による可用性をサポートする必要があります。現在のブロックチェーンプロトコルは、このレベルの処理をサポートするために拡張することができず、これは強力な差別化領域となります。Ceramicのようなデータコンセンサスの特性は、ビットコインのようなバリューコンセンサスの特性とは異なる扱いが可能です。
次に重要なのは、システムが参加者に対して、信頼できる検証を行い、基礎となるイベントストリームから再構築できる、高度に利用可能な状態(ステート)を提供する方法を持つことです。これは、開発者が共有データ上にパーミッションレスでコンポーザブルなアプリケーションを構築することを可能にするものであるため、非常に重要なことです。このシステムを通じて更新が公開されると、すべての参加者が即座に状態データベースを更新できるため、基本的なイベントストリームに接続する誰もが状態の可用性を確保することができるのです。
グローバルな状態(ステート)の可用性に関連するのは、状態(ステート)の表現方法です。Ceramicは現在、単純なJSONオブジェクトとネイティブなインデックス作成システムという形で状態の出力をサポートしていますが、これはグラフベースのアプリケーションのユースケースには適しています。プロトコルは、これらのユースケースにより適したデータ構造で必要とされる最適化に基づいて、異なる状態表現を適応・サポートできるようにする必要があります。これは、Ceramicのイベントストリーミングレイヤーにプラグインし、その上にカスタムデータベースを構築することで実現可能です。
データバースのすべてのデータは、検証可能で、安全で、有用であるべきであり、スパムやネットワークを詰まらせるようなデータであってはなりません。分散化され暗号化されたオブジェクト指向のパーミッションプロトコル(訳註: CACAO)を使用することで、分散型アイデンティティにデータに対する証明可能なエージェントを与えることができます。
例えば、セラピスト、スクールカウンセラー、親友に自分の日記への永続的なアクセスを許可することができます。また、あるアプリケーションに、セッションの間、自分の代わりにステートを更新する権限を与えることもできます。また、開発者のアプリケーションで使用されているさまざまな暗号認証システム(例:SIWE)とネイティブに統合することも可能です。他のDataverseプロトコルやサービスと協力して、同じパーミッション規格を採用し、相互運用性を最大化できるようにすることが重要です。多くの点で、パーミッションプロトコルがより堅牢で、発展し、柔軟であればあるほど、アイデンティティを任意の単一のキーに結びつけることの重要性は低くなります。
また、ネットワーク内の書き込みと読み出しを許可する分野では、開発者のエコシステムから多くのイノベーションが期待されます。私たちはすでに、プログラムによるパーミッション・プロトコルを使った実験を行っています。例えば、ホストされたカストディアル・エージェントや「パーソナル・データ・マネージャー」、あるいはユーザーのデータに対するパーミッションを管理する「信用調査機関」のようなものです。私たちは、特に初期の段階において、あらゆる種類の多様性を奨励すべきです。
ユーザーがウォレットを使ってアプリケーションにログインするときはいつでも、アプリケーションはそのユーザーに関するデータをデータバースから収集する必要があります。アプリケーションが、あるIDの1つの状態をフェッチすることは簡単なことです。しかし、アプリケーション開発者は、特定の読み取り可能な識別子を使用してコンテンツを取得するよりも、はるかに多くのデータ検索機能を必要としています。
ソーシャルネットワークのようなマルチプレイヤー・アプリケーションの場合、開発者は複数のユーザーからデータセットを集め、1つのインターフェースで表示する必要があります。この種のデータ検索機能は、ほとんどすべてのアプリケーションの中核となるもので、特にデータエコシステム全体にとって最も価値のあるものの中核となります。ユーザーの識別子がわかっている場合、Dataverseに存在する各ユーザーのデータのインデックスを調べ、そのデータを取り込むことで実現できます。これは、このようなユーザー中心のインデックスのプロトコルが存在することが前提です。物理的にDataverseのどこかに1つのリストとして格納されているか、メタデータとインデックス作成サービスを使って維持されているかは関係ありません。
しかし、アプリケーションは常にユーザーの全体像を把握しているわけではありません。ウォレットアドレスだけでは、全容はわかりません。ユーザーがゲームに参加したコミュニティやランキングなど、より幅広いソーシャルグラフを見ることで、コンテキストを得ることができます。
Ceramicを基盤とする開発者は、Ceramicエコシステム内の他のアプリケーションのユーザーからオプトインデータを取り込むために、インデックス作成とクエリーを使用することができます。
Ceramicは近々、グラフデータベースを提供し、開発者がユーザーのアカウントからデータの流れ、例えばすべてのブログ投稿に至るまで、それらのつながりを探索できるようにする予定です。しかし、さらなるイテレーションで、Ceramicは、任意のアカウント、モデル、モデルに関連するデータストリーム間の関係を可能にします。これにより、データバースを横断した無限に複雑なクエリが可能になります。
データバースには相互運用性が必要不可欠です。これは、データモデルに関する創発的なコンセンサスによって達成されます。Ceramicのデータモデルは、EthereumのERCコントラクト標準に似ています(例:トークンのERC20、NFTのERC721)これは、基本的にCeramicの機能に相当します。このため、開発者は既存の機能テンプレートから選択し、フロントエンドに数行のコードを追加するだけで、同じデータモデルに準拠するDataverseのすべてのデータセットにアクセスできるアプリを簡単に作成することができるのです。
コミュニティは、世界で最も大きなデータモデルの世界を構築し、キュレーションすることができます。データバースを活気ある市場にするために十分な標準を作成する最も強力な方法は、コミュニティに所有権と利益を与えることです。
誰もデータバースを所有していませんが、誰もが所有者であるとも言えます。それは、創造的でネットワーク化されたアプリケーションを構築するために働くコミュニティの成果であり、結果として、世界のために価値ある資源を生み出すことになります。この大きなプロジェクトは、それを支える大規模で熱心なコミュニティがあってこそ成功するのです。
コミュニティのメンバーは、開発者のツールやスタック・エコシステムの構築、成長と影響力、教育コンテンツの作成、ネットワーク運用などを支援することができます。私たちは、このコミュニティを最大限に活用できるよう、すべてのエコシステム参加者のインセンティブを慎重に検討する必要があります。
私たちはまず、高度にネットワーク化されたアプリケーションエコシステムでデータモデルを使用して構築する先進的なWeb3開発者に、データリッチなアプリケーション機能を提供することに焦点を当てます。各フェーズでは、どのインフラを使用し、どのように構築するかについて、前のフェーズを参考にすることになります。
メタバースは、ブロックチェーンによって築かれた基盤から生まれました。それは、繁栄し活気に満ちた相互運用可能なアプリケーション・エコシステムを作るために、先に述べたすべての正しい条件を持っています。Web3の開発者はすでにブロックチェーン上でアプリケーションを構築しており、その多くはデータへの拡張によって製品の差別化と成熟を図ろうとしています。
レピュテーションは、多くの異なるWeb3マルチプレイヤー・アプリケーション、分散型プロトコル、ソーシャルコミュニティにわたって必要とされており、プロフィールから、所有することを証明できる資産(NFT、ドメイン名、ソーシャルハンドル)、経験(自己主張と証明されたスキルツリー)、貢献度追跡、KYC VC(検証可能な資格情報)まで、あらゆるものに及びます。
これらのユースケースには、VCを含むものもありますが、含まないものも多くあります。この中で、Ceramicは公開データおよび一時的なプライベートデータのユースケースに対応することができます。完全なプライベートユースケースは、アクセス制御されたサーバーに暗号化して保存する必要があり、理想的にはIPLDとCACAOを使用して、Spruce SystemsのKeplerのようにCeramic上のデータとネイティブに相互運用することができます。
長期的には、このデータセットのコレクションが、メタバースにおける自分のアイデンティティやパスポートのように機能することになるでしょう。これは大きな賭けです。例えば、DeFiの未来は、今後評判と信用が解明されるまでは非常に流動的です。
Web3ではソーシャルが非常にホットで、分散型ソーシャルグラフと分散型ソーシャルメディアの周りに多くの勢いがあります。Orbis、Convo、CyberConnect のトラクションと試行から、異なるイテレーションと新たな実験へと拡大されることが予想されます。これらは本格的な分散型ソーシャルネットワーク、または他のアプリケーションに組み込まれたソーシャル機能という形で提供されるかもしれません。ソーシャルグラフ、フィードとポスト(ブログ、マイクロブログなど)、リアクション、プライベートとパブリックのグループ、DM、フォーラム、アドレス帳などが期待されます。
多くのアプリケーションやプロトコルは、ユーザーが多くの異なるウォレットやアカウントを持っている場合、どのようにユーザーを識別するかについて自問自答しています。これは、より多くのメタバースプロトコルを単一のアプリケーションに統合しているWeb3アプリケーションにとって、より重要なものとなってきています。ユーザーオブジェクトとすべてのマッピングを維持するのは面倒で、実装上のエラーが発生しやすくなります。マルチアカウント、クロスチェーン(MACC)メタバースにおけるユーザーのための集約されたアイデンティティを作成するためのさまざまなモデルについて検討することができる、特定のデータ機能のセットが存在します。
インターネットにとって最高のものはまだ来ていません。メタバースは、過去25年間のアプリケーション開発における最大のブレークスルーとなり、クラウドに代わるアプリケーション環境として選ばれるでしょう。
データバースの可能性を最大限に引き出すためには、相互運用性が必要です。このような相互運用可能なデータネットワークは、アプリケーションの構築方法を変えるだけでなく、知識の共有、科学の発明、社会としての進歩の方法をも変える、新しいイノベーションの波を起こす触媒になるでしょう。これこそ、私たちがCeramicとともに築こうとしている世界です。
Ceramicを使ったビルドを始めるには、私たちのガイドをチェックするか、Discordに参加してください。
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