今回はAvalancheの目標の一つである「すべての資産のトークン化」を推し進めるようなニュースが多くありました。
着々と次の大きな相場流れに向かってチェーンとしての体制を整えているような印象を受ける二週間でした。
Avalanche Vista
Avalanche Hackathon
Etrapay eERC20
AvaScan
今回の最も大きいニュースはAvalanche Foundationによる「Avalanche Vista」です。
Avalanche Vistaとはブロックチェーン上への資産のトークン化を行う「RWA」に関連するプロジェクトのサポートに関してAvalanche Foundationが5000万ドル(約70億円)の資金提供を発表した取り組みのことです。
RWA(リアルワールドアセット)とは、不動産や株、保険などの現実世界での資産をブロックチェーン上で管理、取引しようという新しいトークンの概念です。
Avalanche上では、既にKKRによる未上場への企業への投資ファンドであるPE(プライベートエクイティ)ファンドの一部がブロックチェーンで行われていたり、特定の場合に支払額が膨大になってしまう保険のための保険である再保険の一部をブロックチェーン上で取引可能にしたReなどがありますが、これらも今回のAvalanche Vistaの対象となっています。
また、RWAによるトークン化をサポートするHiYieldがAvalanche Vistaに参加するというニュースも出ていました。現在業界内でも注目されてきているRWAを大きく後押しするAvalanche Vistaによって、ブロックチェーン全体に新しい風が吹いたら面白いなと思います。
Avalancheが7/17-8/28までの間、賞金プール$10,000のハッカソンを香港で開催することを発表しました。
このハッカソンでは主に
特定のアプリケーション(例:GameFi)用のサブネットの開発
カスタムEVMのプリコンパイルの構築
マルチシグのウォレットコントラクトなどの開発ツールの構築
カスタムVM(例:Rust VMなど)の構築
Move言語を用いたプロジェクトの開発
などがハッカソンのタスクとなっています。
次のニュースは、Avalancheのサブネット上で現在ペイメントチェーンを開発しており、先日Avalancheからチェーン開発のためのグラントを獲得したEtraPayが新しいトークン規格であるeERC20を発表しました。
eERC20とはEncrypted ERC20の略で、EVMチェーン上でトークンのトランザクションを秘匿化して送信が可能になります。eERC20を用いることでトランザクションに関わる人も隠すことができるavocというバージョンも今後登場するとのこと。
eERC20ではzkSNARKを用いているため、証明の生成に0.5秒、非暗号化に0.2秒で実行可能になります。また、EVMへの同期を必要とせずにトークンの仕様が可能になったことは、セキュリティ的にも使い安さ的にも非常に大きな利点だと考えられます。
最後に、Avalanche上のエクスプローラーサービスのAvascan上で、コントラクトに悪意があるかなどユーザーにとっての一つの判断基準をサポートするシステムが発表されました。
最初の、Chain Abuseとの提携ではAvascan上のエクスプローラーから、悪意のあるor変な動きをしているコントラクトやウォレットアドレスの報告が可能となりました。また、その次のDe.Fiとの提携ではコントラクトの監査をAvascan上で行えるようになり、コントラクトをAvascan上で確認するだけでどのようなリスクがあるか、コントラクトの安全性の評価が確認できるようになりました。
この機能が追加されたことで、Avascan上でコントラクトを確認した際に同時に安全性などの確認が可能になりました。