こんにちは。
Skyland VenturesでインターンをしているKOJOです。
今回から”WEB3 STUDIES”と題して、Web3初心者のKOJOが、Web3について学習した内容をアウトプットしていく連載シリーズを刊行していこうと思います。一緒にWeb3について学んでいってもらえれば嬉しい限りです。読みやすく文章を整理するのではなく、なるだけアウトプットをメインにして素早く記事を執筆していこうと思っています。多少見苦しい文面が発生する場合がありますが、ご自愛ください。
文面は、参考にした資料を併記しつつ共有させていただきます。読解の誤りに気づいた場合は、是非とも指摘いただけると幸いです。
今回のテーマはDAOです。
株式会社との違いから考える
中央集権的な管理者がいない(社長という意思決定者がいない、金庫番がいない、人事がいない、コーポレートがいない)
あらゆる取引・契約が公開される(NDAがない、オープンソース)
株式の代わりに、トークンで資金調達をする
誰でも参加できる(採用面接がない)
DAOは、民主的で高い透明性を維持しながら運営できる組織。
記事によれば、
普遍性:永続的に続く、途中で終わることがない
透明性:全てのやり取りがオープンで記録されており、誰でも参加ができる
自律性:中央集権による意思決定ではなく、スマートコントラクト等によるシステムによって運営されている
意思決定が停滞しやすい
法的に未整備な部分がある
インセンティブ設計が難しい(コミットする人の多いコミュニティを作りづらい)
中央集権的な管理者がいないものを分散的に管理する必要がある
→意思決定・金庫番・人事・採用・給料
会社(DAO)の登記や株式(トークン)の発行をどうする?
意思決定(投票)をどうする?
金庫番(お金のpool保持)や給料配布(報酬の付与)をどうする?
社内(DAO内)コミュニケーションをどうする?
SOURCE①:Vitalik Buterinのブログ
Vitalik本人が分析するDAOの機能性。非常に示唆に富んでいる。
記事タイトル:
DAOはコーポレートではないー自律組織において分散化の必要な領域とは
言うなれば、賛成/反対の二者択一で決定することのできないようなサブジェクトを検討する際に、DAOという組織の分散的な機能性が発揮される。
例1)パンデミックへの反応:10%だけ海外から人を入れる、じゃパンデミックの抑止にはならない→convex(下に凸)
例2)戦争における計略:全国境にまばらに軍を敷いていても、一点に敵軍の100%が来たら国境は破られる→convex
例3)裁判の量刑:被告に対する量刑が死刑/無罪では、あまりに犯罪者の身分が区別されてなさすぎる、懲役●年の精査をしていくべき→concave(上に凸)
例4)税制:低所得者はX%、高所得者は2X%のような2種の判断ではなく、所得税には量的に税率をコントロールすべき→concave
DAOは「量的」かつ丁寧な判断の必要な場面で多く機能する
DAOによって組織をリブランディングすることに意味があるのか
例えばUkraineDAOのような組織形態は果たしてDAOといえるのか?
Core →分散組織
下部組織のPod →中央集権的に行動
Vitalikはこう主張する。
PodがCoreから一定のリソースを受け取るも、それ以外については高い自治性を持って組織を機能させていれば、DAOから命令を受け取ることはない
Coreは(ガバナンストークンの有無に関係なく)高度に分散化されていれば自律組織を実現できる。分散化を実現すれば、意思決定が非常に遅くなることになるわけだが、PodがCoreからも自立駆動していれば、Coreの遅さから影響を受けることは少ない
つまり、上層部はconcave、実働隊はconvexに動くことで新たな組織体制を実現することができる。しかし、この場合、通常の株式会社などの組織形態との違い(上層部が分散的である必要性)がわからない。
分散型の重要性
組織の上層部が分散型であるメリットは何か
上記でも記述のある通り、concaveな意思決定が必要な場合
検閲に対する対抗力(オープンソースである恩恵)
信頼性のある公正さ(情報の非対称性がないこと、インサイダーの消滅)
2 検閲に対する対抗力について
3 信頼性のある公正さについて
DAOは国家に対抗する組織構造というよりも、国家の担っていたような組織構造を肩代わりできる構造になりうる
’ガバナンス’は①外部や内部から攻撃可能であることは、非常に大きな問題につながりやすい。 例)インサイダー取引、覇権的な与党
’ガバナンス’は②単に強固であるだけではなく、信頼できない多くの人々に、それが強固であることを確信させる必要がある(トラストレスな調停が必要になる)
①algorithmic stablecoin's Achilles heelの欠点:Oracle Risk
②"decentralized court" system Klerosの欠点:Proof of Humanityであっても、ガバナンストークンを大きなパイ持っている者がいると、意思決定に歪みがあると外から判断されてもおかしくない。ex) Uniswapのa16z
③Optimism retro fundingの欠点:プロジェクトの提案者とファンディングの提供者などの間にインサイダー取引があるとまずい。こういった問題には
悪意のある決定者を後から処罰する(→株式会社では法律が後に取り締まりを行えている)
高品質な決定者を事前にフィルタリングする(→株式会社において面接で行えたこと)
決定者を追加する。(人数を増やす)
といった対処が必要
CF)
記事①:イーサリアム創案者「DAOは秘密を漏らし組織の信頼性を上げる」
人間社会は超合理性によって秘密を暴露する
オープンソースの倫理
DAOのような組織は超合理性を伴って発生する
DAOはコーポレートガバナンスよりも政治学から学ぶべきものがある
SOURCE②:Hush Hubの分析記事(有料記事ですので内容を侵害しない程度に省いています、より細かい内容はぜひリンク先ご覧ください)
記事タイトル:
DAO(自律分散組織)と株式会社の構造比較と、 それぞれが得意とすることを理解する
株式会社
組織はプロダクトやサービスを販売して、収益を得る
収益は経費を補点することに当てられて、残った資金はシェアホルダーに分配されるか、組織が引き続き保有する
組織の中の財務チームは組織が保有する資金をどのように投資するかを決定する
執行するマネジメントチームは日々のオペレーションを行い、取締役会に報告する
マネジメントチームは従業員の雇用を決定し、従業員は業務を行い給料を貰う
取締役は執行するマネジメントチームの説明責任を負って、株主の利益の最大化をするために取締役会を運営する
DAO
DAOはプロダクトやサービスを販売して、収益を得る
収益は経費を補点することに当てられて、残った資金はトークンホルダーに分配されるか、DAOが引き続き保有する
トークンホルダーはDAOが保有する資金をどのように投資するかを決定する(例:流動性提供者へのインセンティブをどのようにするか決定する)
執行するマネジメントチームはいない。コアコントリビューターは多くの場合、数人で、彼らによってオペレーションが行われる
雇用を決定することはない。有志のコアコントリビューターが働く
執行するマネジメントチームはいない。トークンホルダー自身が執行をも担っている
DAOのメリット
いわば株主のような存在であるトークンホルダーが一部執行を担えること
オペレーションがシンプルなもの、かつグローバルスケールするプロジェクトであれば向いている可能性が高い
DAOのデメリット
トークンホルダーは複雑なオペレーションは行えない
対応できるのは単純なオペレーションのみで、例えば手数料・金利・取り扱いトークンのパラメーター変更など
複雑なオペレーションは例えば、カスタマーサポート、メディアと交渉してCM枠を押さえてマーケティングすること、規制当局との対応などで、DAOでトークンホルダーによるオペレーションでは不可能
DAOには、トークンホルダーと少数のコアコントリビューターしか存在しません。つまり根本的に複雑なオペレーションができない
トークンが儲かる、というのはモナコ的な国を立ち上げた時くらいな気がする(DeFi)
つまり、モナコという特定の地域に国籍を持つ国民がある種のバリューを世界的に持つような場合。
国家はどこで利益を得ている?
税制
ファイナンスというのはDeFiでもP2P electric cash systemのBitcoinでも自明だが、クリプトの圧倒的に革命な点。ファイナンスで儲かるという主軸は変わらない。 政治学を儲かるかで考えるのが良い。