BinanceのCZ氏によるツイートをきっかけに、Alameda ResearchとFTXの化けの皮が剥がされた件は記憶に新しいだろう。業界全体に衝撃と多大なる被害を与えたとともに、CEXの透明性向上に努める動きが足並みをそろえて行われている真っ只中です。また思想的な分散及び非中央集権ではなく、今回の一件で普段利用しているCEXから資金を抜いたり、そもそもの中央集権的なCeFiに対して疑惑の目を向ける機会になたのではないでしょうか。
そして集権的なステーブルコインに対する潜在的なリスクも顕在化する中、Binanceが率先して自社のステーブルコイン「BUSD」に関する記事を投稿しました。今回はBinance Blogの記事に沿って翻訳しながら解説しました。安心してステーブルコインを利用するために、少しだけでも詳しくなってくれると嬉しいです。
取引所が発行するステーブルコインは多くなく、その中でも代表例がBinanceのBUSDで、GeminiのGUSDぐらいです。ちなみにサム事件の少し前にFTXもステーブルコインの開発を進めている旨を好評しローンチを示唆しました。FTTの資金の流れをみていると、何か悪いことに使おうとしていたのでは?と頭をよぎります、、、
まずBUSDとはなんでしょうか、暗号資産の時価総額ランキングでも常に上位にランクインしており見たことがないという方は少ないのではないでしょうか。BUSDとは、Binanceのサポートを受けPaxosによって発行された米ドルペッグのステーブルコインです。Paxosは数多とあるステーブルコインと異なり、業界で審査基準が厳しいとされるニューヨーク金融サービス局(NYDFS)の規制のもとライセンスを取得して運営を行なっている企業で、PUSD(元PAX)というステーブルコインを自社でも発行しています。ステーブルコインなので、いつでも米ドルと1:1で購入することができ、逆に償還も可能な仕組みです。
ステーブルコインの担保となる資産は透明性が高ければ高い方が好ましいです。十分な担保資産、それらを裏付ける監査、そして規制。この3つを十分に考慮して設計されているのがBUSDです。特に裏付け資産は米ドルの現金と、満期が90日以内の米国短期国債によって構成されています。さらに透明性を向上させるために、準備金に関するレポートと保有資産の内訳を後悔しているので、誰でもが裏付け資産についていつでも確認することができます。
また課される担保資産の保管要件もニューヨーク州の規制当局により厳重に定められており、ユーザーの資金とは分離された状態でFDICの保険が付いている倒産隔離(bankruptcy-remote)口座もしくは米国財務省証券として分別保管されています。なのでユーザーの資産を守り、もし破産したとしても資産の返却が行われる仕組みになっています。
BUSDのネイティブチェーンはEthereumであり、発行元はPaxosでしたね。それに加えマルチチェーンに対応させるために、ラップ(wrap)してラップドトークンとしてEthereum以外のチェーンでもBUSDを発行しています。それらをまとめてBinance-Peg BUSDと呼んでいます。Binance-Peg BUSDはBUSDが米ドルと1:1の発行だったのに対し、ネイティブなEthereum(ERC20)をロックしBUSDと1:1で発行されます。ちなみに現在はBNB Chain、Avalanche、Polygon等でラップドトークンの発行を行なっています。Binance-PegのトークンはB-Tokenと呼ばれます。
どのチェーンに行ったとしてもEthereumの発行枚数に基づいているので、いまの流通量の総数はEtherscan等のエクスプローラーで確認できます。またBinanceで公開されている資産証明のページからも確認できます。
BUSDに関しては厳重な規制のもと、Paxosが管理しているので比較的安心できます。しかしEthereum以外のチェーンはどうでしょう。Binanceが管理/発行しているので一定のリスクがあることは間違い無いでしょう。
一方でBinanceはPaxosが発行するネイティブBUSDとの交換をいつでも行えるようにし、裏付け資産を保持しているので、Binance側でのリスクもあるものの、間接的にBinance-Peg BUSDを発行しようとした場合にはPaxosに資産を預ける必要があります。USDCなどの他のステーブルコインの場合は、ブリッジトークンもあるもののネイティブトークンとしてマルチチェーン対応させていっているので、
この記事はBUSDの安全性を完全に謳ったり保証するものではなくBUSDに関する解説です。取り扱う上でのリスクをご自身で確認の上判断してください。