[Research Note] SPAC/DirectListingについて

この記事は2021年1月に社内勉強会用に作成した記事です.

現状のIPOの問題点

  1. ほかの金融商品と違って価格発見に市場アプローチを使っていないこと
  2. アンダーライター(投資銀行)の顧客であるバイサイドの機関投資家だけが優先的にIPOの公募にアクセスできること
  • 既存ロードショーが機関投資家が大半を占めている
  • EricRies(リーンスタートアップ提唱者)がLTSE(Long-Term Stock Exchange)という証券市場を設立
    • 透明性尾ある仕組み(資本政策、バーンレート、ランウェイ等の資本政策、事業計画の可視化ツールを提供)
  • 需給関係で資金がほしい会社のほうが多い

日本のIPOの傾向

  • 類似企業の平均PERやレンジによって公募価格を決めるため、過小評価されがち
  • 類似企業の20%〜30%のディスカウントの整合性がどこまであるのか疑問
  • 小型IPOが多く、一般投資家への割当が多く、上場初値の価格が投機的になり、高騰する傾向が多い
  • 上場時に資金調達を必要としていない企業が少ないため、DL,SPACメリットが無い

SPAC(特別買収目的会社)

  • 企業買収を目的とする企業を上場させ、資金調達を行い、2,3年以内にターゲット企業を選定し、その企業を買収する
  • 被買収側社名を新会社名とし、事実上のIPOを回避して上場する手法
  • 20年1593件のIPOの内、248件がSPAC

SPACが合併に失敗しても元本が償還されるという意味で投資家にとってはリスクは小さい。しかし機関投資家がSPAC投資で求めているのは、合併先が決まり、その企業の有望度によってSPACの株価が大きく上昇し、売却益を確保することだ。

SPACメリット

  • IPOと比較して、コストが安く、トランザクションの時間が短くて済む
  • 証券会社以外の期間による企業価値評価が行われる

ダイレクトリスティング

特徴

  • 新株を発行しないため、資金調達を行わない。既存株主の株式のみを株式市場に放出する
  • アンダーライダー、ロックアップ期間を必要としない
  • 従来のIPOでは公募価格が適正な水準に設定されていない

ダイレクトリスティングをした企業

  • Netflix, slack, asana, Airbnb
    • 既に知名度を得ている企業
    • IPO前のPRが重要になる?

memo

  • 資金調達を目的とする上場から、株式流動性の向上、信用力の向上のための上場という選択肢
  • SPAC: DMM,エウレカ等が相性が良い?
  • SaaSはMRR,チャーンレートから将来の売上が予測しやすい
    • EquityではなくDebtで資金調達ができる
  • SPACはダイレクトリスティングに対しての証券会社サイドのカウンター?
    • ダイレクトリスティングでは証券会社は入れないが、SPACであれば、上場、MA時に入れる
    • GSはMAアドバイザリーでトップに
  • SECはどう思っているのか?

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