筋肉量減少で死亡リスク36%高まる

筋肉量が減少すると死亡リスク36%高まる―87万人の研究データからわかってきました。

筋肉量と死亡の関係

前回、筋肉量が少ない人は死亡リスクが57%高まる、という2023年の研究結果を紹介したところです。

同様の研究がもうひとつ、2023年に発表されています。

こちらも系統的レビュー・メタ分析ですが、より多くの研究結果をもとに筋肉量減少と総死亡リスクの関係だけではなく、原因疾患別死亡リスクについても検証しています。

87万人のデータから

2023年8月、筋肉量が減少すると総死亡リスクが高まるのかを検証した系統的レビュー・メタ分析(Zhou, 2023)が発表されました。

一般集団における筋肉量減少と総死亡リスクを評価した前向きコホート研究を対象に検索され、49件の研究が組み入れられました。

加齢や基礎疾患による筋肉量の減少であれば、機能の低下や脂肪組織の消耗の有無は問いません。どのような定義基準・重症度の研究であっても、筋肉量減少を報告した研究はすべて対象となっています。

メタ分析ではランダム効果モデルを用いて、筋肉量の最低カテゴリーと正常カテゴリーの相対危険(RR)が算出されています。

38.7~93.5歳(中央値 73.5歳)の成人、合計878,349人を2.5~32年間追跡されています。

筋肉量減少している人は正常に比べて、総死亡の相対危険は 1.36(95%信頼区間 1.28, 1.44、I2 = 94.9%、49研究)と36%多くなっていました。

Table by Zhou HH, used under CC BY-NC 4.0  https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/
Table by Zhou HH, used under CC BY-NC 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-nc/4.0/

さらに、原因疾患別死亡についても、

  • 心血管疾患死亡 29%多い(RR=1.29, 95%信頼区間 1.05, 1.58)

  • がん死亡 14%多い(R=1.14, 95%信頼区間 1.02, 1.27)

  • 呼吸器疾患死亡 36%多い(RR=1.36, 95%信頼区間 1.11, 1.67)

いずれも多くなっていました。

まとめ

筋肉量減少で総死亡リスク36%高まることがわかりました。さらに、心血管死亡、がん死亡、呼吸器疾患死亡についても、リスクが高まる傾向がみられました。

これは先行研究(Wang, 2023)の結果とも一致します。

ただし、この結果はあくまでも筋肉量が減少した人のリスクを確認したまでです。ではそれに対してどうすればいいですか?という予防・治療方法とその効果については、別途研究が必要であることにご注意ください。

参考文献

Zhou HH, Liao Y, Peng Z, Liu F, Wang Q, Yang W. Association of muscle wasting with mortality risk among adults: A systematic review and meta-analysis of prospective studies. J Cachexia Sarcopenia Muscle. 2023 Aug;14(4):1596-1612. doi: 10.1002/jcsm.13263. Epub 2023 May 20. PMID: 37209044; PMCID: PMC10401550.

※情報収集・文章作成・画像生成にAIを活用しています。

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